Main 6 「最後に、これをお前に託そう。」 伝説の師匠みたいなことを言って、青さんはオレに何かを差し出した。 「…メガネ?」 それは、ちょっとフレームの太い、いわゆるおしゃれメガネ。 黒縁だが、ガリ勉風ではなく、カッコいい。 「眼鏡はお手軽な変身アイテムだ。簡単なワリに、イメージかなり変わるし。」 眼鏡をかけて、鏡を見る。 …髪の色も変わってるし、もう大分オレっぽくない。 何て言うか、今時の兄ちゃんぽい。 …確かにちょっと勘違いして、はっちゃけちゃった地味男みたいだね…オレ。 「何か聞かれたら、イメチェンだとでも言っとけ。」 「適当っすね。」 言いたいだけ言って、青さんは終了、とばかりに大きく欠伸をしながら、伸びをした。 …まぁ、もうかなり遅い時間だしね。 「…青さん。」 「おい、本名で呼べって…」 「青龍さん。」 「……。」 すぅ、と大きく息をして、オレは真っ直ぐに青さんを見た。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |