Main 2 青さんはオレを相手にせず、テキパキとオレの首に汚れ防止のタオルを巻き、ビニール手袋をはめる。 サラサラとオレの髪を、意外に長い指が梳く。 「ワックスは…使ってねぇな。」 「ナチュラリストなんで。」 「何の手入れもしてない分際で、煩ぇよ。無造作ヘアとか言ったらシバくぞ。」 「はーい。」 ちょっと調子こいてみたら、バッサリと切られた。 …青さんと仲良かったから、西崎とか武藤とも絡みやすいんだな。 ドS耐性がついてるのか…嫌な発見しちまったぜ。 美容師みたいな繊細な手付きで、青さんはオレの髪を、染め始めた。 少しずつムラにならないように、丁寧に櫛を使う仕草に、オレは思わず感心する。 本当、この人って小器用だよなぁ…。 「あぉ………、清水センパイって、長男っぽいですよね。」 「長男だ。」 おお。 予想通り。 青さんて面倒見良いし、何でも器用にこなすし。 時々、躾っぽい発言するし。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |