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「何がいいっすかー?」

「コーヒー。」

「はいはい。」

「ハイは一回。」

「ヘイ!」


お湯を沸かしている間に、マグカップを用意しながら、そんな会話を繰り広げる。


「…はい、どーぞ。」

「ん。サンキュ。」


青さんは礼を言って、マグカップを受け取った。

砂糖もミルクも入れてない。
…色々外見を裏切るこの人は、コーヒーは完全ブラック派。

甘いものは全般、苦手。

甘いもの大好きなオレ的には信じられない!
人生の半分は損してますよ!って真顔で言ったら、グシャグシャって髪を撫でられて、お前はそのまま、アホのコでいろ、って言われた…。

どゆ意味…?

あ、でも、オレが作ったジンジャークッキーだけは、食べてくれたなぁ。


「…何、人の顔凝視してんだ?」

「いえ…男前だなぁって。」
「至極当然な事を、わざわざ言わんでいい。」

「ハイ…。」


ニッコリ笑ったら、テレビの中のアイドルよりも可愛いだろうこの人は、男前、と表現する他ないニヒルな顔で、そう言い切った。


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