Main 小台風、上陸。 ―――深夜突然、嵐が来襲した。 「よ。」 「…………。」 真夜中の訪問者は、いつもと全く変わらぬ様子で、軽く手を挙げる。 その様が、あまりにも普通で、オレは一瞬、自分の居る場所を見失いそうになった。 数秒、扉を開けた姿のまま、フリーズする。 ………オレは、何も見ていない。 自己暗示をかけながら、ゆっくりと扉を閉めようとしてみた。 スス… ガツ。 「…何閉め出そうとしてくれてんだ。あ゛?」 ひぃーっ!! 閉まりきる寸前、扉の隙間に足を突っ込まれた。 悪質セールスか!?アンタ!! 扉の隙間から半分だけ見える目が、ギロリと凄む。 訂正訂正………ヤ○ザだ! ちっちゃいヤ○ザだ!!この人!! ググッ きゃーっ!! 力技で無理矢理扉を抉じ開けて、ちっちゃいヤ○ザが押し入って来た。 「手間取らせんじゃねえ!」 チッと、舌打ちする姿はホンマモンっぽい。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |