BL*庭球
遠い日の君
財前、光。
間違っていなかったのだと再確認する、試合で初めて彼を見かけたときの胸を貫く様なあの感情は。
彼が佇む場所は、あの日の景色とよく似ていた。
あれはそう、きっと10年くらい前の話。大阪で出逢った綺麗な男の子、其れはきっと。俺が探し続けていた男の子、其れはきっ、と。
「財前、光…やっと会えた。」
「…氷帝の…日吉?なんやねっ…ちょ、おま…!」
重ねた唇に愛を誓う。此れからゆっくり思い出させてあげよう、幼い日の俺達がどんなに幸せでどんなに無邪気でどんなに我が儘だったのか。そして、そして。出来ればあの日の様にもう一度、ただ一言「好き」をくれないか、と。
「光、会いたかった。」
「光って…!お前ほんま意味分からん…」
「溜め息も可愛いな。」
滅多に見せない笑顔も素直さの欠片もない言葉も、全てが宝物。守って、大切に。手のひらで、いつまでも。巡り会えた、また。
あの日の君が、確かに其処に居た、のだから。
(遠い日の君)(もう二度と離すものかと、誓った)
***
企画監督、息子さん達を私にください。さまに提出。
[*前へ]
無料HPエムペ!