庭球*夢 あのね、萩之介。 滝萩之介 滝、会計報告は。 滝、宿題教えて。 滝、俺の筆箱知らないか。 相変わらず彼の周りはすごい人だかりで、毎度のことながら隣の教室の入り口で立ち尽くす私。 目が合う、ごめん、と小さな合図。 そんなものいらないのに、見ていられるだけでも十分なのにね。 優しすぎるあなたは私にも優しいのです。 「ごめん、ここでならゆっくりできるだろ?」 5分後、半ば無理矢理周りをあしらって出てきた彼は私を屋上に連れてきてくれて。 ありがとう。 あなたの隣に座って見上げた空は透き通っていました。 静かな世界、あなたが私だけを見ていてくれているのは知っているけれど。 それでも私はあなたの小さな耳の奥に届くように囁くのでした。 (あのね、萩之介。) *** 目立たない貴方にさま提出。 あ、甘い、わぁぁ甘い…!!← 今年のがんばった大賞は決まりです脳内では。 [*前へ][次へ#] |