一人と一人で一つ、だから, *スカイプ投下文 *なんか仲良しな臨静 *タイトルはらぎちゃんこと如月さんから頂きました *らぎちゃん、しろちゃんに捧げます 夕日に照らされた音楽室にピアノの音が響く。ピアノを奏でるのは一人の男子生徒、折原臨也だった。臨也の指が素早く鍵盤を叩く。 その光景を静雄はぼんやりと眺めていた。静雄はピアノを奏でる臨也が好きなのだ。その細く長い指が音を奏でるのが、奏でる度に揺れるその艶やかな黒髪が、そして、深紅の瞳に愉悦の色が浮かぶ様が好きなのだ。 臨也の薄い唇が静雄に歌えと強請る。嫌だと一回断れば、俺が奏でる音に合わせて歌ってよと尚も強請る。 ぽーんと微笑を浮かべた臨也の人差し指が白鍵を軽く押す。それに観念したのか静雄は目を瞑ると、その唇から歌を奏でる。 静雄の表情が赤かったのはきっと夕日だけのせいではないのだろう。 夕日とピアノが奏でる音楽、そして、テノールの歌声が音楽室を支配する。 少し羞恥も浮かばせつも、静雄は楽しそうに歌う。それを横目で確認した臨也の笑みが深くなる。その笑みはいつも静雄をからかう時のような笑みではなく、純粋に楽しいという笑みであった。 お互いがお互いの音に心酔しながらも、二人は空が赤から紺に変わるまで音を奏で続けた。 一人と一人で一つ、だから、 (ずっと、一緒にいようか) |