はろうぃん*さん 「はひー!!!!ツ、ツ、ツナさんっ!!!!大変な展開になってます!」 資料室の扉の隙間から、名前の様子を伺っていたハルが慌ててツナに助けを求める視線を送る。 「んーそうだね…。雲雀さんだけズルイ展開になってるなぁ…」 「そんな落ち着いてる場合じゃないです!は、早く、止めないと!ツナさんなんとかしてくださいぃぃーっ」 ツナの服を掴んで、引っ張るハルが体勢を崩し、思わず二人は扉にぶつかっりゴロリと転がりながら資料室に体半分が入る形になる。 その滑稽な姿の訪問者の姿に、雲雀の冷たい視線が刺さる。 「あはははは。雲雀さんお元気です?」 ツナは転がったまま、間抜けた挨拶をした。 「二人とも。覗きとはイイ趣味だね」 「いやぁ〜そんなぁ〜褒めないでくださいよ」 「褒めてない」 不機嫌な顔でツナを見下ろし、思わず踏みつける。 「いってーぇ!!!」 「はひーっ!ひっ、雲雀さん!ツナさん踏んでますよ!!!」 『きょうやくん!つなさんふんじゃだめだよぉ』 抱きかかえられたままの名前が、注意するとおや?っと雲雀は肩を竦める。 「なんだ。まだそんな所にいたの?気が付かなくて踏んだじゃない」 イテテ…と雲雀に踏みつけられた所を摩りつつ起き上がるツナは、「酷いなぁ〜」と涙目で抗議の声をあげるが、雲雀からは冷たい視線を受けるのみで、ガックリとする。 「用事も終わったし、僕たちは帰るから」 「え?僕たちって??」 「僕と、名前だけどなにか?」 「だって、雲雀さんこの後用事があるんじゃないんですか?いいですよ〜、名前ちゃんは、夜までオレの所で預かりますって!ハルもいるし。だろ?ハル」 折角名前が遊びに来ているのに、と思いハルに助け舟を求めるツナ。 「そ、そうですよ!ご用事すませて来てください!」 雲雀におののきながらも、ハルもツナの意見に賛同する。 『きょうやくん。おむかえくるまで、ハルちゃんとまてるよ?がまんできるもん』 雲雀は、名前をじっと見つめる。 「用事はキャンセルだよ」 僕が我慢出来ない。 「『ほえ?』」 ハルと、名前の間の抜けた声が重なる。 「じゃぁそう言うことだから」 ツカツカと名前を抱えたまま資料室を後にする雲雀を、呆れた顔で見送るしか出来ないツナとハル。 雲雀に抱えられたまま帰って行く名前が、取り残された二人に元気に手を振っている。 『ハルちゃん!ツナさーん!またね〜ぇ』 名前に力無く手を振る二人。 「はぁー行っちゃいましたね…」 「あーオレなんなのー?踏まれた挙句、名前ちゃん取られるし。最悪」 ガックリと肩を落とすツナに、仕方ないですよ…と、困った顔で笑うハル。 『ねぇねぇきょうやくん』 「なに?」 『おうちついたら、もらったおかしいっしょたべよっ』 「それは、名前のでしょ」 『でも、いっしょたべたいもん』 「僕は、それを美味しそうに食べる名前を見れればいいよ それに…僕には、そのお菓子の代わりがあるからね」 意地悪い顔で名前を見る。 『おかしのかわり?なに?なに?』 「さっき邪魔が入ったからね…僕はお菓子より、名前がいい」 お菓子より甘い… 君をもらえれば幸せだから。 2009*Halloween* **おまけ**** 「おーっすツナ!なんか、ハロウィンなんだってなぁ〜」 ズレタ調子で、いつものように笑いながら山本がツナの屋敷を訪れる。 リビングのソファーで寛いでいたツナは、山本に疲れたような顔を向けため息を一つ。 「あーごめん山本。それもう無くなったから」 「へ?」 「主役が大魔王に連れ去られた」 「主役って…名前だろ?大魔王って誰だ?」 今一つ状況が飲み込めない山本に、ツナの向かい側に座るハルが、ご機嫌斜めに言葉を続けた。 「最強の大魔王です!雲雀大魔王!」 「あーそれじゃぁ…仕方ねぇのな〜」 はははは…。 乾いた笑いをしながら、持って来た菓子の袋をテーブルに置き、ツナの横にドカリと座る。 「でさ、名前可愛かったか?」 「まあね、可愛かった。だから独占欲の強い大魔王がさらってったわけ」 打倒!最強の大魔王その日は果たして訪れるのかっ! いやぁ…それは無理? 20091027 * ATOGAKI *******ハロウィンネタです!! あれ?ちゃんとハロウィンになってました? あれ?結局だだのいちゃいちゃネタじゃないっすかぁぁ〜 だれか突っ込み願います。 途中小説内の、獄寺&名前ちゃんのやりとりは一体どんな!? なんて、若干の謎スパイスも入れてみたので、そこは皆様の思い思いの展開をご想像くださいませ。 (私的には…むふふ/////←妖しい) 少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです(≧∇≦) 皆様も楽しいハロウィンをお過ごしください♪ [*前へ][次へ#] [戻る] |