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(一周年記念)ままごと遊び*1

『じゃじゃ〜ん』

ハルは自ら効果音を声にしながら、次々と名前の目の前に、紙袋から取り出した品を並べて行く。
畳に次々と並ぶそれを、興味深く眺める名前。
並んだ物はプラスチックで出来た実際の物よりも小さくカラフルな色合いで作られている、お皿、コップ、包丁、お鍋、フライパンなどなど…。

「おままごとセットです」

『んままごとぉ?』

「はい」

『ふぉ…』

珍しそうにおままごとセットを眺める名前に、ハルは笑いながら近くの湯のみを手にして名前に渡す。

「さぁ〜お茶をどうぞっ」

渡された湯のみを手にして、一瞬キョトンとした名前ではあったが、直ぐにはしゃぎながら遊びについて行く。

『んと、ただきまぁぁ〜す』

「こちらのお菓子もいかがですか」

ハルは小さなお皿に、本物のクッキーを乗せて名前の前に差し出した。

『くきぃ。食べていい?』

「ど〜ぞ、ど〜ぞ。お客様のおもてなしに用意したんですから」

名前に勧めれば、『いただきまぁぁす』と元気に、クッキーを頬張る。

『おいひぃ』

「このおままごとセットは、ハルが小さい時に使ってたんですよ」

口いっぱいにクッキーを入れてしまった名前は、ふごふごと何やら口に出しつつ頷いている。

「ハルのお古で申し訳ないんですけど、名前ちゃんに使ってもらえたらと思ってもって来たんです」

こくりと口のなかのクッキーを飲み込むと、きょとんとしながらハルの顔を見詰める名前に、ハルは「プレゼント…もらってくれますか?」と返す。

『ほえ……ぷれぜんと?』

沢山のままごとセットが自分の物に??
名前は、不思議そうに何度も瞬きを繰り返しながらハルを見据えちょこんと小首を傾げる。

『でも…ハルちゃんのもらったらぁ、ハルちゃん、んままごとなくなっちゃう…』

「はひ?ハルは大丈夫ですよ!!えっとー、ままごとは…やりたくなったらハルが名前の所に来ます」

大人になって一人でままごとなんてやらないと言いたかったものの…名前に、なんだかままごとを否定してしまう様な気になり誤魔化してみるが、名前は首を横に振る。

『いい。と、したら、したくなったら…ハルちゃんにかりんもん』

本当は、プレゼントと言われそれが凄く嬉しくて、欲しくてたまらないの名前なのだが、こんなに素敵な凄い物を貰っちゃっていいのかな??と…グッと我慢。

「気に入りませんでしたか?」

ハルはそんな名前態度に、我慢しているとは分からず、余計な事だっただろうかと眉をハの字にしながら反省してガックリと肩を落とす。
ハルの落ち込んだ姿にに、名前は、あれれれと慌ててながら、『ちがうの、ちがうのぉ』と繰り返しながら落ち込んだハルの膝に自分の体を乗せて転がって足をバタバタとさせる。

『ちがうのぉ。とね、とね、すごぉぉぉいいよぉ』

「はひ?じゃぁ…気に入りました?」

名前の言葉に、ピタリと落ち込みモードをリセットし、チラリと名前を見れば、思い切り音がするんじゃないかと思うくらいに勢いよく頷く名前がいる。
頷き過ぎてクラリと来る感覚の頭を抱えつつ、照れ笑いでハルを見据える名前。

『あんね、ほんとに…くれる?これ、わたし…の?』

「もちろんです。名前ちゃんにあげたいんです」

ハルの力説に、ようやく自分がもらってもいいのだと理解した名前は、今まで以上に目をぱちくりとさせつつ頬に両手をぺたりと付け、大きく口を開けてると、嬉しそうな声を上げた。

『ふおぉぉぉぉー!!!!あんね、すごぉぉぉうれしぃぃ』

ハルの膝で嬉しそうにジタバタしている名前の姿に、良かったと一安心で微笑み、はしゃぐ名前が可愛くてハルは幸せモード。

「喜んでもらえて良かったです」

『ありがと、ハルちゃん』

「どういたしまして」

ホノボノと笑いあう二人。
名前のスペシャルアイテムが1つ増えました★



2010/5/2


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