(55,555打キリ番リク)うさぎさんを独占
55555打キリ番
マユ様よりリクエスト。
こちらの作品は
マユ様のみお持ち帰りOKです。
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色取り取りの明るい色彩の子供服の群れが並ぶ子供服の店。
そんなカラフルな店内に、スラリとした長身にカラーシャツと黒いスーツを身に纏い、誰もが見とれてしまう程の美麗な青年が優雅に訪れた。
なんとも可愛らしい店内にはミスマッチな青年。
店内の女性店員がその姿を見留、にこやかに近付く。
「雲雀様。いらっしゃいませ」
事前に雲雀が訪れる事は連絡済。店員は特に慌てる事無く雲雀を迎え入れ、その雲雀の後ろから現れた、もう一人の小さな愛らしいお客様にも同じく挨拶をすれば、ニッコリと笑い返して来る。
「いらっしゃいませ。名前ちゃん」
『こんにちわぁぁぁ!』
店に名前の元気な声が木霊する。
「声…大き過ぎ」
元気いっぱいの名前に、ボソリと突っ込む雲雀。
『ふえ?』
雲雀は呆れ顔で大声の主である名前の頭を手の平で軽く小突けば、キョトンと見上げる名前。
『おっき?』
「ワオ。無自覚?」
『むじぃ?か?う??』
雲雀の言葉に意味が分からず頭を捻り、唸る名前。
そんなやり取りを店先で行っている二人の動きに、店員が笑うのを堪えながら平静を保ちつつ店内奥へとそっと導く。
訪れたこの店。
雲雀と名前が初めて来たのは、名前が雲雀と共に暮らす事になり、身の回りのものを買い求める為に訪れた百貨店のKIDSフロアーの一つであった店。
それから幾度となく訪れ、今ではこの店にとって良いお得意様として来店を歓迎されている。
通常の客とは違い、少々扱いが難しい所もある客ではあるが、金払いに関して言えばこれ程よい客は居ない。
値段に対し一切気にしない雲雀。名前に似合う服であればそれでいい。
かといって、店員は高額な値段のものを態と進める訳でもなく、きちんと雲雀の気に入るものを選び提供する。
その点でも雲雀がこの店に訪れるポイントになっている。
そして雲雀の接客は、いつも決まった店員がそつなくこなす。
雲雀と名前を、店奥に設置された落ち着いた色調の広めのスペースが取られたフィッテングルームへと案内する。
この部屋は、試着する子供と店員、そして保護者がともに入っても余裕があるよう作られ、部屋には子供が試着している間に寛げる様にと一人掛けの大き目のソファーも置かれている。
そのソファーへと当たり前のように、無駄の無い動きで軽く腰掛ける雲雀。
その何気ない仕草がなんとも絵になり、店員は毎回と言っていい程見惚れてしまう。
「…どうかした?」
そんな店員に怪訝な顔を向ければ、ワタワタと首を振って慌てながらも直ぐに営業モードを取り戻す。
「先日、新作が入って来まして、名前ちゃんに似合いそうな物を数点か取り置きしておきました」
雲雀にそう告げると、雲雀の横でキョロキョロとしている名前の背に手を添え、店員の方に向けさせる。
「君の見立てなら平気でしょ?任せるよ」
雲雀の言葉に緊張しながら「畏まりました」と答えれば、名前は店員の手により試着を繰り返す。
その様子を、雲雀はソファーで寛ぎながら静かに見据えている。
「いかがでしたか?」
ソファーで寛ぐ雲雀に、店員が問い掛ける。
「いいんじゃない?」
「あ、有難う御座います」
特に雲雀からのクレームも無く問題を乗り越え、店員はホッと胸を撫で下ろす。
今までも、取り置いた服についてあまり雲雀からの指摘はないものの、やはりこの瞬間は何時でも緊張する。
とは言え、キャッキャとハシャぐ名前を見れば、そんな緊張感も些細な事柄で、すぐに溶けてしまう。
雲雀が納得する事よりも、この小さな可愛いお客様である名前が喜んでくれる事の方が、彼女にとって一番の遣り甲斐のを感じる瞬間でもある。
名前は、最後に試着した服のまま、雲雀の方へと歩み寄ると、雲雀の膝に寄り掛かるようにくっ付く。
『きょうやくんわぁ、おようふく、どれよかったぁ?』
「そうだね…」
甘えて来る名前の髪をを優しく撫でる。
「どれも名前に合っていたけど、今着ているのがいいかな」
白い可愛らしいレースを多めに使用した春先のワンピース。
スカート部分の裾がふわりとバルーンのような形をしていて、名前が動くたびにふわりと動く様がとても可愛らしい。
『えへへ〜、かあいいっ』
ワンピースの裾をポンポンと叩いて、膨らみが動くのが面白いらしく、楽し気にそれを繰り返す。
雲雀は、そんなはしゃぐ名前の姿にクスリと笑いながら、名前の体をを引き寄せると、自分の膝の間に軽く挟み、名前の柔らかい丸い頬を両手で包み込んで少し上を向かせ、自分の顔を寄せる。
「凄く可愛いよ」
少し離れた所にいる店員には聞こえない位の小さな声で、雲雀は名前に囁くと、名前は照れながら笑い返す。
試着した服を片付け終えた店員が二人の側に戻ると、名前はくるりと振り返り『あんね、これぇください』と言えば、店員はにこりと笑って頷く。
「ありがとうございます」
名前が、『これください』と言ったが、既に先程の雲雀と店員の会話で試着した服は全て購入が決まっている。
雲雀の「いいんじゃない?」は、全て買うと言う意味。
名前だけが知らない。
雲雀は名前の髪を撫でならが店員に指示をする。
「これは着て帰るから」
「畏まりました」
「後は、いつもと同じにね」
何着もの服と、今まで名前の着ていた服は、自動的に雲雀の屋敷に届けられ、新しい服達は草壁の手によってクローゼットへ仕舞われ、出番を待つ服の仲間へと入って行く。
「ねぇ」
「は、はい」
「この服の上に着るもの選んで」
春先とは言え、外に出ればまだ少し肌寒さを感じる季節。日中でもこのワンピースだけでは少々心許無い。
雲雀の追加の依頼にも慌てる事なく(既に予想していたのかもしれないが…)店員がフロアーから選んできた服を名前に羽織らせる。
薄い桜色をした、ワンピースに似合うフード付きのニット。
フードの部分に、ウサギの耳のような物が付いていて、フードを被るとそれがたれ耳のウサギの様な仕様になる。
名前は、それがいたく気に入ったようで、フードを被ると喜んでぴょんぴょんて跳ね回る。
『ね〜ね〜、きょうやくん。うさぎさんみたい?』
ぴょんぴょんとうざぎの真似で跳ねれば、フードの耳とワンピースの動きがマッチしなんとも可愛らしいウサギさん。
しかし、雲雀に問い掛けるものの…返事がない。
『ほえ?』
雲雀の無反応に、パチパチと瞬きしながら雲雀を見詰め『あれぇ〜?』考えポーズの名前。
会計など総ての作業をを済ませた店員が二人の元へ戻って来ると、名前の姿を微笑ましく眺める。
「名前ちゃん。可愛いウサギちゃんになっちゃったね」
『うさぎさんみたくなってる?』
小首を傾げて問い返せば、笑いながら勿論と頷くのを確認し、雲雀の方に向き直る。
『きょうやくんのうそつきぃ〜。ちゃんとぉ、うさぎさんになってるよぉ』
可愛くぷうと丸い頬を膨らませ、雲雀に腕をジタバタと動かしながら伸ばし、不満気な顔をする。
「ワオ。別に、否定してないでしょ」
名前の伸ばした腕を絡め取りながら、軽く名前の体を抱きかかえると、名前の膨らむ頬に、雲雀は自分の頬を添えつつクスクスと笑う。
「僕のウサギが可愛くて見惚れてたんだよ」
頬が触れ合ったままの状態から、名前の頬にチュッと軽いリップ音と共に甘いキスをし、名前の耳元にゾクリとする様な色っぽい声で囁き「ねぇ。僕のうさぎさんを食べていいかい?」とクスクスと意地悪く笑えば、名前よりも側にいた店員の方が、雲雀の妖艶さに当てられてしまい目線を逸らし赤くなる。
(あ、相変わらず側にいる私の方がドキドキしちゃう。こ、ここが隔離された場所で良かった…)
以前も店内で、特に気にしない雲雀の行動に、店内に無防備にいた人々が、雲雀の色気に遣られ、ハートを鷲掴みをくらった。
その時も、名前だけは嬉しそうに雲雀に引っ付いてはしゃいでいた。
「きょうやくん。だめよぉ〜!うさぎさんはぁごはんちがうんだよぉ。んとね、うさぎさんわぁ、いいこいいこしてあげんの」
雲雀の腕の中で、真面目にいつものボケを返す。
「それは残念。じゃぁ、名前ウサギを可愛がってあげないとね」
『う?』
「可愛すぎて、独占したくなるよ…」
『ど??どくせんてぇなに?』
「……。ずっと離さないで一緒って事だよ」
?マークの名前にそう返してやれば、雲雀の首に腕を回して嬉しそうに抱き付いて来る。
『いっしょうれしぃ〜っ』
名前の純真な瞳が、雲雀の独占欲を更に増長させているとは本人は気付く筈も無く、キラキラとその瞳に雲雀を映す。
「あ、あの…」
そんな二人の世界に、遂にいたたまれなくなった店員がおずおずと声を掛ければ、雲雀は名前に向ける優しい表情とは全く違う無表情で素っ気ない顔を向ける。
言うなれば、何邪魔するのかと抗議の視線。
「ああ、君、居たの?」
その言葉に、店員は思わず心の中で雲雀に突っ込みを繰り出すものの…そこは表情にも出さずグッと堪え、雲雀へ作り笑顔を返す。
その後、ラブラブバカップルをそつなく送り出した店員に、近くにいた配属されたばかりの店員が、興味深気に近付いて来る。
「店長。今の人が、噂のお客様ですね」
「そうよ。当店一番のお客様」
「凄くいい男ですね〜」
ため息混じりで、既に遠くにある雲雀の姿を見る。
「それに、なんかやる事が凄いんですよね」
力強く店長に向き直る。
「だって、少し前までこの百貨店の一部だった店が、スペース拡大しちゃって、VIP的広めの洒落たフィッテングルームまで作られて…みんな、あの人の仕業なんですよね。本店でも、凄い噂になってましたから」
驚きですと、漏らす店員に、本当にと同意する呟きを返す。
「そうなのよね…そのお陰で、私も店長昇格までしちゃうし、雲雀様は名前ちゃんに関して…と言うか、する事が飛び抜けていて…」
店長の言葉を続けるように、
「まさに自分中心。でもそれを、さらりと現実にさせちゃうのがまた凄いですよ。一体何者なんでしょう。あのおチビちゃんにはメロメロな事は間違いないですよね」
名前に対する雲雀の行動が、人を寄せ付けない冷たい雰囲気の雲雀を柔らかくさせ、なんとかうまく接客が出来ている。
雲雀の外見や立ち居振る舞いからは全く想像出来ず、意外だと笑い合う二人。
「それだけお気に入りなんでしょうね、正に目に入れても痛くないんじゃないかしら。あの二人を見てると本当に当てられっぱなしで…彼氏が欲しくなるわ…」
「本当…羨ましいですよね、私の彼氏も見習ってほしいですよ」
去った後に、そんな会話が行われているとは思いも寄らないバカップルラブラブモード炸裂の二人。
『きょうやくん。いっしょだよね〜っ』
ぴょんぴょんとうさぎモードで跳ねる名前。
「ねぇ。ウサギなのは分かるけど、跳ね過ぎだから」
『ほえぇ?』
「大人しくしてないと、イタズラするよ」
『えーぇぇぇ!?』
「その方が…、僕は嬉しいけどね」
この後もいちゃいちゃ?モードで、周りを翻弄して行く二人なのでした。
2010/3/22
*ATOGAKI*********
甘くなっていますか!?
リク通りいっぱいイチャイチャしてますか???
微妙…ですなぁ…(ノ△T)
マユ様、これで許されますか?
二人のお買い物デートって事で
ただチビに、ウサミミフードを被らせたく…思っただけって話です。
うさみみチビは、マユ様へ(*^o^*)
え?要りませんか?
これに懲りず、バカップルな二人を宜しくお願いしま〜す★
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