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call the name
『ただいまぁ〜』
襖を勢いよく開け名前が戻って来た。
ニコニコ笑いながら、雲雀の方へ駆け寄る。
続けてハルが慌てながら部屋に入ってきた。
「こら〜!まだ頭がちゃんと乾いてないですよ!」

雲雀は、寄ってきた名前の髪を触る。確かに、もう少し乾かした方がいいかもしれない。

『え〜だいじょうぶだもん。』

「大丈夫じゃないですよ。さ、行きましょ」

ゔ〜っと不満気な声を出す。
ハルが手を伸ばすと

「……。後は、僕がやる」

「はひ?」

その台詞になんだか一瞬部屋の空気が固まったような…。
ツナもそのやり取りを意外そうに見ていた。

「何?」

「あ…いえ」

何か文句でも?と言いた気な雲雀の視線。
そこに、ツナが間に入る。

「ハル、後は雲雀さんに任せよう」

「ツナさん…。そうですね、分かりました」

少し残念そうなハルではあるが、ツナの意見に従う。
ツナは、視線をハルから名前に向け、近づき笑いかける。

「自己紹介がまだだったよね」

名前は、ツナの顔をジッと見つめる。

「オレは、沢田綱吉。ツナでいいよ」

優しく微笑み、名前の少し濡れた頭を撫でた。

『んと…ツナ…さん』

「あはは、ハルが呼ぶみたいだね」

「はひ?」

ふとハルに視線を向けると、一緒だねと笑いかけてくれた。

『えへへ。えっと、名前です』

「よろしくね。名前ちゃん」

なんだかほのぼのとした空気。
が、そのやり取りを見ている雲雀は機嫌があまり良くないようだ。

『?』

ツナはそれを察知して慌てているようだが、名前には良く分からず不思議そうにしている。

「あ…じゃあオレ達はこれで、ハル行こう」

「はひ?はい。名前ちゃんまたね」

「名前ちゃんおやすみ。雲雀さんも、また…」

「ああ…また」

ヒラヒラと手を振るハルと、ニコニコと笑うツナに、元気よく

『ハルちゃん!ツナさん!おやすみなさいっ!!』

右手を元気いっぱい降りながら挨拶をかえした。


二人が帰った後、名前の乾ききっていない髪にドライヤーを当ててやる。
すると気持ち良い様でコクコクと頭を揺らした。
その小さな頭を撫でながら

「名前」

『ふぁ…?』

眠いらしく返事も今一つになる。

「なんで呼ばないの?」

不機嫌そうな顔。
名前は、急に言い出した雲雀の台詞の意図が分からず、眠い目を雲雀に向ける。

『?』

「沢田達は…名前を呼んでたでしょ?僕はまだ…名前に呼ばれてないんだけど」

『????』

ツナと名前のやり取りの時に不機嫌そうだったのは、名前がツナやハルの名前で呼んでいたから…。
でも、その意図を幼い名前にその意味が分かる訳もない。

「今度から、名前を言わないと返事しないよ」

『ええええ』

雲雀に言われるまで気が付かなかったが、呼ぶ時に名前を呼んでいなかった名前。特に意図したところはなかったものの…急に名前を呼べと言われても少し戸惑い気味みなってしまうようでモジモジとしつ不機嫌そうな顔の雲雀をジッと見つめ考える。

『・・・んと。(なんてよべばいいんだろう…ツナさんは、ツナってよんでっていたし…ハルちゃんも・・・ハルってよんでっていったよ?)』

名前の頭の中で目いっぱい考えを巡らす。
『(んと…じんじゃで…なまえをおしえてもらった…)』

うーん。うーん。と暫し悩みつつ、閃き呼んでみる。

『ひばり…きょうや…さん!!!』

えへへ、となぜか得意げに笑いかける。

「ワォ。フルネーム呼び?」

さっきより不機嫌さが悪化したような感じがするのは気のせいではないだろう。

『(あ、あ、あれ???まちがえたのぉ???おなまえあってる…)』

更に悩む。
それを、不機嫌ながらもどこかからかう様な視線の雲雀。

また、うーん。うーん。と悩む。

『あ、んと、ひばりさん』

「……。沢田は名前なのに、僕は苗字?」

『おぉ?えとーみよじ?』

「苗字じゃなくて。名前。」

なるほど!と答えが見つかって名前は了解した表情。ふと…幼稚園の先生の言葉を思い出した。

「みんないいですかー!なかよしのお友達のお名前を呼ぶ時は、女の子には、"ちゃん" 男の子には "くん" を付けましょうね」

『(えっと…なかよし…??んー。なかよくなりたいときは…)』

また、頭の中でグルグルと考え始める。名前のいっぱいいっぱいの考えの中で、少しズレが生じているようで…。雲雀は大人の男性なのだが…。

『きょうやくん!!!!』

ニパッと笑いながら呼んでみた。

「・・・・・・」

この年にになって君付けで、しかもこんな小さい子に??と思ったが、だったらなんと名前に呼んで欲しかったのか…自分でもよく分からなかった。
もしかしたら、ただ単に名前をからかってみたかったのかもしれない。とも思えるし、名前が沢田の名前を自分を呼ぶより先に名前を呼んだのが面白くなかったのも確かではある。
でも結局何故そう思ったのか、自分では良く分からない。

『(あれ?こも…ちがう?)』

雲雀の返事が無いので。眉間にシワを寄せつつうーんうーんとまた悩んだ顔になる。
雲雀はそんな名前の頭を撫でて

「なに?」

と、少し微笑みながら返事を返す。
ああ、そう呼んでいいのかと正解をもらったと言う顔をしながらもう一度呼ぶ。

『きょうやくん』

「ん?」

えへへへ…名前を呼んで返事をもらう事だけなのに。なぜか照れる名前。
ツナさんに…ハルちゃんの名前を呼んだ時にはドキドキしなかったのにな?なんでだろ?
と考えつつも、なぜかとても特別をもらえた気がしてポカポカした気持ちになった。

そしてやっぱり雲雀の手は優しい。



2009.5.12

.
* ATOGAKI *******
あーなんか変な感じになってしまった気もしますよね
幼児相手に…雲雀さんどうなんですか?
これじゃー●り…はっ!!!違いますよ!!!
独占欲が強いだけっすよ!名前ちゃんは、自分が連れてきた子だから…自分のって感じで…
ってーココで説明追加すんなって感じですね。

それと、名前ちゃんに雲雀さんをなんて呼ばせるかを…めっちゃ悩みました!!!結局…「きょうやくん」になった訳ですけど…これで良かったのかぁ…微妙です。


自分文才もっと…欲しい!!
馴れないことすんな?って事ですかねー
って思ってもー書いちゃいますけど。
そんな訳で、名前さん。これからも宜しくです。
えへへー


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