Xmas*おまけ
パーティーも終わって、女の子二人は後片付けの真っ最中。
よくもまぁ…こんなに散らかせると呆れてしまう。
「皆さん飲みすぎですよね」
「本当だね。でもみんな楽しそうだったね。さぁー!!頑張って片付けちゃおっ」
「ですねっ」
やるぞーっと、気合いを入れて汚れた皿などを重ねる二人。
「ハルちゃん。これ台所に運んで、先に洗ってるね」
「はい。こっちも片付けたら直ぐそちらに行きます」
皿をトレイに乗せ、部屋を後にする京子。部屋に一人残ったハルは、腕捲りをして残りの片付けに勤しんでいる。
「はひ〜っ。こんなもんですねっ。さて、京子ちゃんの方に行かなきゃです」
大きな独り言を呟くハルに、返事が返って来る。
「ハル。ご苦労様」
声に驚いて振り向くと、部屋の入り口にツナが立っていた。
「あっ。いえいえ、大丈夫ですよ。あれ?ツナさん、お一人ですか?」
特に意味もなく…聞いただけのハルの言葉に、ツナは何故か不満気な顔をしながら部屋の中央まで歩いて来る。
ツナさん…なんか、様子が変?
「オレ独りじゃ駄目なの?」
「へ?」
「来るの。ハルは…雲雀さんの方がよかった?」
「はい?」
「そうなんだろ?」
「えっと…??」
「パーティーの時も、楽しそうだったもんなぁ」
「あ、あの…ツナさん?仰る意味が…もしや…酔っ払いですか?」
ツナの言っている真意が掴めず、顔を覗き込めば、やはり酔っている感じがする。
「酔ってない。それより、ハルは、雲雀さんが好きなんだって?」
「はぁ?」
「名前ちゃんが言ってたよ」
「えええ〜っ」
轟く程の雄叫びが部屋に木霊する。
叫んだハルは、赤い顔で、これ以上に無いほどの焦りを見せる。
「やっぱり…当たりなんだ」
目を細め、不振な顔で見るツナは、どこから見ても酔っ払いである。
俗に言う…絡み酒。
「ちっ、ちっ、ちがいますぅ!名前ちゃんが言ってるの、勘違いですしっ!!雲雀さんとお話ししていたのも、ツナさんが、名前ちゃんの欲しいものの絵を、雲雀さんに聞けと言うから聞きに行って、今日…その問題が解決したんで、お礼を言っただけです!!ツナさんの勘違いです!そっそっそれに、それに、ハルはぁぁぁー私は…」
ハルの勢いは、徐々に弱くなり、最後はモゴモゴと口籠もってしまっう。「……」
そんなハルを据わった目で見ているツナ。
「ハルは、なんなんだよ」
「ツナさんの、ばかぁぁー」
「あ?なんだよそれ」
「ハルは、昔からずっとツナさん一筋ですからぁぁ」
ハルの言葉に、動きを止め、驚いた顔をするもののそれは一瞬で、ニヤリと意地悪く笑う。
「そうか、雲雀さんの事…違うんだ」
「そうです」
頷く。
「そっかぁー」
「はい」
また頷く。
「なんだぁ〜。へ〜そうかぁ」
ニヤニヤしながら、納得したような声を連呼し、一人で納得したようにツナは、すっかり機嫌を直して部屋から出て行ってしまった。
取り残されたハルは、何が何やら。
そして、我に返って、大切な事に突っ込みを入れる。
「ハルの告白は、スルーって…どうなんですかぁぁぁ。ツナさぁ〜ん。カンバックですぅ。放置ですかぁぁ」
廊下まで響くハルの声。
廊下を歩くツナの耳にまで、雄叫びは届く。
「おい、ツナ」
「あ〜、リボーン。何?」
「たくお前、相変わらずどっち付かずだな。そのくせ独占欲ばっかりありやがる」
「お前には関係ないだろ」
余計なお世話だと不満気な顔で、リボーンに手を振り、立ち去って行くツナを、やれやれと言ったように見送るリボーン。
「ふん。まぁ、愛人が何人いてもオレには関係ね〜けどな」
さてさて、恋の行方は誰にも分かりません。
「はひ〜っ!!名前ちゃんにも、ちゃんと否定しなくちゃですぅ」
―後日。
ハルは、名前に懸命に、雲雀の件を否定し、それを聞いて少し残念そうな名前。
でも…きょうやくん独り占めな気がして、なんだか少し嬉しい名前でもあったりした。
-END-
2009/12/29
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