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This child?
お腹がいっぱいになればおのずと眠気が来るもので、名前は興奮しているものの眠いのか、ヒバードとじゃれながら目をクシクシと擦っていた。
近くで、本を読んでいた雲雀はパタンと本を閉じ、目線を名前に向ける。

「名前は、お風呂は1人ではいれるの?」

『おふろ?んと、いつもおかあさんとはいってる!』

「そう…」

雲雀は、考えつつ携帯電話を取り出しどこかに電話を始めた。

「あ…僕だけど……
……
あ、君は来ないでいいから

え? ……ああ…いや…

草壁を迎えに行かせるよ
……

は?
だから…
君はいいから、…うん。

すぐに頼みたい

……じゃあ」

『(?だれとおはなし?んと…だれかくるのかなぁ?)』

電話を終え少ししたところに、草壁が雲雀の所にやって来た。

「恭さん。客人を連れてきましたが…」

少し困った顔を雲雀に向け、言葉を詰まらせる。
それを見た雲雀は、眉をピクリと上げ嫌な顔をする。

「やっぱり…。余計なのまで来たね」

「はぁ。申し訳ありません。」

草壁のせいではないのだが、謝罪する。

「いいよ。連れて来て」

「へい」

不機嫌そうな顔の雲雀に、名前は近づき、着流しの裾を掴かむ。

『おきゃくさん?』

「そうだよ。1人は僕が呼んだんだけどね…余計なのも来たみたいだよ」

『よけい??』

襖をあけ、その人物が入って来た。

「沢田綱吉…君は呼んでなかったと思うけど?」

ジロリと、睨む。
睨まれたツナは少し肩を上げ、困った顔をしている。

「そう言われても…。用件が今一つで…1人じゃ行き辛いって言うんで…」

「ふん。そう、まあいいよ。今回はこっちが頼む立場だから許してあげるよ」

「どうも」

「で?」

「あ、はい。ハルにお願いしたんですけど…」

そう言うと、ツナの後からヒョイと顔をだすハル。

「こ、こんにちわ…」

今一つ自分の置かれた状況が分からず不安げなハル。

「ああ、君か。」

「えっとー、で…お風呂に入れてあげる子は…どこに?」

ハルが雲雀を見ると、雲雀の着物の袖を掴みつつ小さい女の子がジッとハルとツナを見つめていた。

「はひっ!!!この子ですか?わー♪ぷりてぃーがーるですねぇ!!!可愛い!!
こんにちは、私は三浦ハルっていうんですよ。宜しくね」

ニコリと名前に笑い掛けるハル。その笑顔で、名前も笑顔に。

『名前です!!!えっとぉ。…よろ…しく』

最後はちょっと恥ずかしそうにしていた。
その時も、なんとなく袖を掴んだまま。雲雀は、名前の頭にポンと手を置き

「名前。お風呂入れてもらって来て」

『え?』

キョトンとした顔で、見上げる。

「頼んだんだよ。僕はどうしていいか…分からないから。一緒にお風呂入って来て。」

雲雀はなぜか不満げ顔をしながら、名前をハルの方に押す。

「名前ちゃん行きましょ。あ、ハルって呼んでくださいねっ。」

『んとーハル…ちゃん?』

「名前ちゃん。宜しくです。」

子供好きのハルは適任のようで、名前は楽しそうに笑っている。ハルの手を掴むと、後を振り向き雲雀に笑い掛け

『んとー行ってきまーすぅ』

「名前ちゃん行きましょ」

「草壁。案内して」

「ヘイ。こちらです」

名前、ハルの二人を草壁は風呂場に案内して行った。



部屋には、雲雀とツナが残され部屋にはなんだか気まずい雰囲気が漂っている。

「あのー雲雀さん。あの子は…一体」

「ん?君に言わないといけない?」

ジロリと睨む。

「え、いやぁ。いけないって言うか…」

「名前って言って、神社で拾った」

「拾ったって!!!!ええええええ?????」

言葉に驚きの声しか出ないツナ。

「何?声大きいよ。」

「あの…迷子ですか?」

「さあ?」

「さあってー!!!!どうするんです?え?え?迷子じゃなかったら何なんです?どうするんです?」

「別に…ココにいればいいんじゃない?」

慌てるツナに対して、冷静と言うか冷めた雲雀の態度。雲雀は既に、会話をする気は無いらしく、ウンザリ気味の視線をツナに投げかける。
ツナは、もう何を言っても話が通じないと思い知ると、ガックリと肩を落とし

「いいですよ分かりました。何か手伝いが要るようなら、また言ってください」

「何かあれば頼むよ。で、君は、もう帰ってもいいけど?」

「え?いや、ハルが戻るまでココで待たせてもらいます」

「そう」

すでにツナと話す事は無いようで、雲雀は読みかけの本を広げ、読み始める。

「(待つとは言ったけど…ええぇ??雲雀さん、オレココに放置ですか??まぁいいか)」

ちょっと身の置き場に困ったツナではあったが、座敷に腰を下ろしハルが来るのを待つことに。

「(それにしても・・・あの子一体…それも雲雀さんが…珍しいよね…ちょっと調べてみよう)」

ツナのそんな考えが伝わる訳もないが、雲雀は一瞬ツナを見つめ、また本へと視線を戻した。



2009.5.10

.* ATOGAKI ******
おおー!!!ツナとハル登場してみました。
名前ちゃんお風呂を誰と一緒にしようかと悩んだんですがー
ハルじゃないかと。
子供好きだし…。ツナが頼みやすいような気がしたんで。
京子ちゃんでも良かったかな?とも思いますが…。

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