Xmas*クリスマスイブ1
12月24日
今日は、クリスマスイブ。
和室に不似合いながらも、シンプルに飾られた大きなクリスマスツリー。
てっぺんには、大きな星が飾られ煌めいている。
そのツリーの下で、うっとりと星を眺める名前。
おほしさまきれぇ
なんだかウキウキと弾む気持ちに、笑顔が零れてしまう。
そんな名前の頭上を、ヒバードがパタパタと飛び、大きな星の上にちょこんと乗る。
「あ〜っ。ヒバードぉ!だめよぉ〜っ。おほしさまとれちゃうからぁ」
名前では、背伸びをしても手が届かない星の上で、のんびり寛ぐヒバードは、自慢をしているように見える。
「ずるいぃぃ〜」
唇を、むぅ〜っと可愛く尖らせ、抗議の声をヒバードに向ける。
結局の所、星に触れる事が出来るヒバードが羨ましいだけの名前。
名前とヒバードの遣り取りを、小さく笑って見ていた雲雀は近づき、ひょいと名前を抱きかかえれば、名前と星の距離がぐっと近づく。
「気に入ったかい?」
『うん。とってもきれ〜だねぇ』
雲雀の背よりも少し背の高いクリスマスツリー。
てっぺんの星には、抱きかかえられてもまだ手は届かないけれど、満足気な顔の名前。
それは、大好きな雲雀と共に、眺めていられるから。
雲雀はご機嫌ではしゃぐ名前の柔らかい髪にキスが出来る位に顔を近づける。
幼い名前の髪から、自分と同じシャンプーの匂いがほんのりとする。
そしてそれとは別に、更に名前の甘い匂いを感じ、目を細める。
『ん?』
「名前は、甘い香りだね」
『かおり?あまい?』
ふんふんと、鼻を鳴らしながら自分の匂いを嗅いでみるが、よく分からない。
それよりも、雲雀の方が良い匂いがするのに…と、雲雀の胸に顔を付ける。
「ん?何?」
『きょうやくんのが、いいにおいするよぉ』
雲雀の胸で鼻を鳴らす名前に、クスリと笑う雲雀。
「なんだか、犬みたいだよ」
『わんちゃん?』
雲雀は頷きながら、抱える名前の髪をゆっくりと撫でる。
その手は、髪から柔らかいモチモチの頬へと移り、名前を味わう様に…堪能する。
優しい雲雀の手がとても気持ちがいい。
そのしなやかな指が、頬から更に、名前の唇へ、その輪郭をゆるりとなぞらえる。
雲雀に、されるがままの名前を、雲雀は甘い瞳で見据えている。
二人を遮るものは何もなく、甘い時だけがそこにあるかのようだ。
巷でも恋人達にとっても甘いクリスマスイブ。
「名前…」
優しく囁く声に、名前は大きな瞳が雲雀を見詰める。
『う?』
きょとんとする名前に、そっと…近づく、雲雀の顔。
ボトリ。
『いたぁ』
頭に何かがぶつかり、思わず上げた名前の大声に、甘い空気が瞬時に消える。
落ちて来たそれは、畳の上に転がっていた。
名前は、顔をしかめつつぶつかった後頭部を撫でながら、下に視線を向ければ、ツリーのてっぺんにあった星。
どうやら、ヒバードの重みに耐えられず、落ちてしまったようだった。
天井で、「オチタ オチタ」と繰り返しながら、ヒバードは飛び回る。
「ワオ。君まで邪魔するのかい?」
雲雀は、そんなヒバードに不機嫌な顔を向けるが、悪気も無く、気にせずのんびりと飛んでいるヒバード。
『あ〜っ。おほしさま、おちちゃったよぉ』
自分の頭よりも、星の心配をして、雲雀に抱きかかえられたままにも関わらす、畳の上の星に手を伸ばす。
『きょうやくん!おほしさまぁ』
ジタバタとする名前を、ため息混じりで畳に下ろしてやれば、落ちた星を拾い上げて、雲雀に付け直してもらおうと手渡すが、雲雀は、星を持ったままの名前ごと抱え、ツリーの上へと持ち上げるた。
「名前が付けなよ」
そう言えば、名前は目をパチクリとさせ、直ぐに嬉しそうに頷いた。
『うん』
手を伸ばし、ツリーのてっぺんにそっと星を飾る。
えへへ〜っ。
飾った星を見上げ笑う名前。
雲雀にも笑い掛けると、微笑み返してくれる雲雀。
そして、名前の頬にキスを一つ落とした。
「良かったね」
『おほしさま、もとどーりぃ。よかったね〜』
今の出来事で、すっかり甘い空気が消え、雲雀は溜め息混じりで一呼吸置くと、抱いたままの名前を再び下ろし、頭をクシャリと撫でる。
「よい子はそろそろ寝る時間だね」
『うん』
元気に頷く。
『サンタさん…おてがみ、みたかなぁ』
「名前は、何をお願いしたの?」
『ないしょぉ』
「僕に、秘密なの?」
意地悪そうな顔で名前を見る雲雀に、そう言われてしまうと、少し困った仕草をするが、やはり『ないしょだもん』と小さく頷く。
「ふ〜ん。明日、リクエスト通りのものがもらえるといいね」
うんうんと、期待満々に頷く名前は、本当に嬉しそう。
寝る準備を整え、布団に入る名前。
雲雀は、名前が眠りに付くまではと、何時もの様に添い寝をしてくれる。
布団からちょこんと顔を出す名前は、小さな手を伸ばすと、雲雀にお小さな休みのキスをする。
『おやすみなさぁい』
名前からのおやすみのキスを頬に受け、ゆっくりと頭撫でてやれば、規則正しい寝息が聞こえてくる。
眠る名前の寝顔を見ながら、明日…ハルは一体どうするのだろうかと考える。
名前が…がっかりしなければいいんだけどね…。そんな雲雀の心配をよそに、口元を緩め、呑気な寝顔をする名前。
「ワオ。間抜け面だね…でも、可愛い…」
雲雀は、名前の頬を、指で意地悪く突っつくきながら漏らした独り言が届いたのか、えへへ〜と笑う。
楽しい夢を
明日になれば、楽しいクリスマス。
あのね
サンタさん。
わたしのほしいもんね…。
おねがい…サンタさん…みてくれたかなぁ…
2009/12/24
* ATOGAKI *******
ああ…またしても…だらだら書くから…続いてしまった。
やはり、クリスマスイブなんで…雲雀さんと、チビには、いちゃいちゃして欲しいかなぁ〜なんて
さて、クリスマス当日はまた後程〜
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