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Xmas*クリスマスまで後少し1
ドキドキドキドキ…

はひ〜っ!!!
きっ、きっ、きっ、緊張しまくりです〜っ

頑張ります!
女は度胸です!
ただ聞くだけですからぁぁぁ〜


そう意気込んだのが数日前。
その割に、行動が伴わず…空回りし続けているのが実際の所。
クリスマスまであと数日。
名前ちゃんの欲しいものをあげたいと思うハル。

名前の描いた、サンタさんへの希望のプレゼントが描かれているであろう絵を凝視するものの…。

「やっぱり分からないですぅー」

はぁ。
出て来るのは、ため息ばかり。

やはりここは、ツナさんからの提案。デンジャラスな藁に…縋るしかないです。

ぐっと両手に力を込める。

確か…ツナさんが本日、雲雀さんが来ると言ってましたから!聞くなら今日です。
名前ちゃんが居ては聞けませんし…。
が、ガンバです!




「じゃぁ、雲雀さん。データはそのディスクですから」

ツナとの会話には特に興味がないのか、要件だけ終え、直ぐにその場を立ち去ろうとする雲雀を、ツナはのんびりとした風に呼び止める。

「あ、雲雀さん。クリスマスですけど、みんなでパーティーをするんで、是非来て下さいね」

「行かないよ」

わざわざ群れる必要はないと言う顔をツナに向ける雲雀。思った通りのリアクションを受けたものの、余裕の微笑みを返す。

「じゃあ、雲雀さんは抜きでいいです。名前ちゃんだけで」

「……」

そのセリフに、眉を顰める。

「雲雀さん?」

「名前も行かないよ」

「そうですかぁ?名前ちゃんは、絶対喜ぶと思いますよ。後で、行けなかったのを知ったら残念に思うんだろうなぁ…あ、でもきっと、雲雀さんには、言わないで我慢しちゃうんでしょうけどねぇ…」

ニヤリと雲雀の弱点を突くツナは、黒い笑顔で雲雀の様子を窺う。

「……ふん」

不機嫌ながらも、行かないと言わない雲雀に、出席の了解と理解する。

「そんな訳で、25日なんで。宜しくお願いします」




そんなやり取りが行われている部屋の扉の前で、緊張しながら佇むハル。
自分の心臓の音が、何時もより大きく感じ、胸に手をあて、気持ちを落ち着かせようと深呼吸。
思わず握りしめた手に、じんわり汗が滲んで来る。

し、し、しっかりしないとです。
雲雀さんにただ聞くだけです!
別に、魔王とお話しする訳でもありません。
雲雀さんと、お話しだってした事あります!!
意味なく…咬み殺される筈…ないです。

自分に何度も言い聞かせている所に、扉が開くと雲雀が現れた。
雲雀は、扉のそばにいるハルをチラリと見るものの、気にする風もなくそのまま行こうとする。

はひーっ。

「あ、あのっ!!雲雀さん」

ハルが上擦った声で雲雀を呼び止めれば、足を止めゆっくりと振り向く雲雀。

「…何?」

「あ、あのですねぇ…はっ!はひっ!?」

勇気を出して、雲雀に話し掛けたものの、振り向いた雲雀の顔を見れば、いつもの無表情ではなく、頗る不機嫌極まりないと言った顔と、態度。
その原因は、特にハルには無く…今、出て来た部屋の主の仕業であるのだが、そんな事は知らないハルは、ただただ驚くしかない。

私…な、何かしでかしましたか!?まだ、声を掛けただけなんですけど〜ぉぉぉ

「あ…あ…あー。なっなんでもありません!すみませんでした」

慌ててペコペコと頭を下げ、とにかくこの場から逃げなくてはと、避難所として、目の前にある雲雀が出て来た扉の中に逃げ込んでしまった。
その場に残された雲雀は、不機嫌なまま立ち尽くす。
自分の不機嫌さにハルが驚いたのに気が付かず、怪訝そうに眉を顰める。

「何なの、今の」

ぼそりと呟き、その場を立ち去った。


少しして、ハルは恐々扉を開け、廊下の様子を覗き見る。既に雲雀の姿はそこには無い。
扉を閉め「ふぅ」ため息を付く。

「はひ〜ビックリしましたぁ。魔王の様に怖い顔でした…デンジャラスです!」

思わず逃げ込んだツナのもとで一息付くと、その場に座り込んでしまった。

「ハル?どうかした?」

脱力しているハルに、不思議そうにツナは、問い掛ける。

「ツ、ツナさん!なんだか分からないんですけど、先程、雲雀さんがメチャクチャ不機嫌そうな…言うならば、大魔王のようだったんですよっ!!」

驚きと、戦きと、緊張が入り乱れ、高揚した頬をしながらツナに詰め寄るハル。
雲雀が去った後に、ハルの騒ぎに、急に部屋が騒がしくなる。
ハルのまくし立てて来る言葉の波に、少し驚きの表情をするものの、雲雀の不機嫌の元凶である本人のツナは、微かに口元を歪めた。

「ツナさん?」

「ああ…ごめん。それ、オレが原因」

「はひ?」

ツナの意地悪い笑いに、キョトンとする。
「まさか、ハルが雲雀さんに用事があるなんて思わなかったからさぁ。ちょっと、雲雀さんに意地悪したんだよね〜」

原因を聞き、ワナワナとするハル。

「ひ、酷いですぅ。雲雀さんに聞けと言ったのは、ツナさんなのにぃ〜!!ハルの一筋の光は消えてしまいましたぁぁぁ」

「大袈裟だなぁ」

嘆くハルに、全く反省していないツナは、笑うだけ。

「ツナさんのせいですからね!!責任取ってくださいっっ」

「知らないよ〜。まだ数日あるんだから頑張れって」

抗議し、へたり込むハルの肩を、軽く叩き、まさに他人事だと言わんばかりに、軽くあしらわれてしまった。

「それにオレ、これから出掛けるから。悪いなハル」

ハルは、怨めしげにツナを睨むものの、用事があるのなら仕方ないと、すごすごと部屋を後にする。
そんな落ち込むハルの後ろ姿を眺めつつ、思わず意地悪そうな含み笑いのツナ。

「ハルどうすんだろうなぁ…雲雀さんとハルのやり取りかぁ。アンバランスな感じで、なんか面白そうだよなぁ」




あ…神様。
いえ、本日の所は、サンタさん。
ハルに力を〜!

……。

こうなれば、もう一度行動するしかないと、萎える心を奮い立たせ、ハルの足は雲雀のアジトへと向かって行った。


サンタさん!
ハルを見守っていてくださいっ☆


2009/12/22
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あれ?終わらず…中編2に続きます。

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