Lunch time7
キャーッ!!!!
テンション高く雲雀に向かって走る名前。
『きょうやくんただいまぁぁ』
雲雀に走り寄り、膝の上にボフッと座ると満面に笑みを笑みを浮かべる。
先程まで不機嫌そうな顔をしていた雲雀だったが、名前の無邪気な笑顔を見ると、クスクスと笑いながら愛おし気に頭を撫で「お帰り」と声を掛ける。
『あのねーたけしくんとぉ〜はやとむかえにいってきたんだよぉ』
膝の上座って足をバタバタさせて、雲雀に報告する名前の言葉に一瞬嫌そうな顔で反応するが、はしゃぐ名前は、雲雀の表情に気ず付かずはしゃぎ、呑気にこちらに歩いて来る山本と獄寺に手を振っている。
雲雀は名前が手を振る方角へと視線を向け、近づいて来る二人をジロリと睨らむ。
「ねえ、隼人って…獄寺隼人?」
イラつく心をなんとか抑え、名前に優しく問い掛ける。
『うん!んとね、はやとはぁ〜ね、たけしくんとぉいっしょでね、んと〜ね〜ん〜、まえにあったの』
「?」
『んで、おむかえいったの!!あー!きょうやくん!あのね、ぷりん!はるちゃんがね、でざーとがね、ぷりんなのぉ』
話したいことが纏まらずクルクルと話が変わる名前に、雲雀は呆れた顔をするもののそれが面白く、獄寺の件を余所に思わず苦笑する。
「お!雲雀が笑うなんて珍しいのな〜」
戻った山本が意外そうな顔で雲雀を見て笑う。
「……フン。山本武。名前を勝手に連れて行かないでくれる?」
睨む雲雀に、「怖ぇ〜」と呟き肩を竦めながら、ははは…と笑って誤魔化す山本。
遅れて来た獄寺は、名前を膝に乗せながら名前を弄る雲雀に意外な顔を向けながらも、ツナの横に行き遅れた事を恐縮しながら詫びる。
「じゅ、10代目すみません。遅くなしました」
「ん?…いいよ別に。大丈夫なの?」
「はい。一区切り付きまして」
「そう。ねぇ…隼人は、名前ちゃんと既に面識があるの?」
ツナの問い掛けに、若干怯む獄寺。
「え?はぁ…前に、山本と一緒に…」
「なんだぁーそっかぁ…じゃあ、今回のこのメンバーは、既に名前ちゃんと知り合いなのかぁ。なんか残念」
「10代目。す、すみません。オレ、まさか10代目が言っていたのがこのチ・・・いや、名前だとは思わず…」
「ん?あ、別にいいって、ただ紹介するのが出来なくて残念だっただけだから」
恐縮する獄寺に笑い掛ける。
メンバーが揃った所で、ハルと京子がデザートのプリンを用意し始める。
「あっ、獄寺さんはデザート…もう少し後にします?」
来たばかりの獄寺にハルが使い問い掛け、頷く獄寺。
「獄寺君の分取っておいたよ。はい」
京子が、獄寺の分にと取り分けていた皿を渡す。
「ああ・・・悪りぃ」
「獄寺さんのプリンは置いておいてぇ、皆さ〜ん!デザートのプリンですよ〜いかがですかぁ?」
ハルの声にピクリと反応する名前。
『ぷりん〜!!!』
「くすくす。名前ちゃん。いろんなプリンをご用意したんですよ。どれにしますか?」
ハルは、名前にプリンを見せる。
「えっとー。イチゴプリンと、チョコプリンと、ミルクプリンに、普通のプリンですよぉ」
プリンの種類が多くてなかなか決められず「うわうわ!」とジタバタする名前のそんな仕草が可愛くて、思わずいくらでも与えたくなる。
「はひ〜!!可愛いですぅ…」
『んと、んと…ちょこ!!あ…いちご?ん〜』
「どうしますかぁ?」
『んと、ちょこ!』
やっと決めてハルからチョコプリンを受け取りご満悦な名前。
「名前。じゃぁ僕に、イチゴプリンをもらって?」
雲雀からの注文に、元気に頷くと、ハルからイチゴプリンを受け取り両手にプリンを持って、ソロリソロリと気を付けながら歩き雲雀の元に戻ると、定位置なのかまた膝の上にちょこんと座る。
『はい!!きょうやくんの』
「ありがとう」
雲雀にイチゴプリンを渡し、チョコプリンにスプーンを入れると、柔らかいプリンはぷるりと美味しそうにスプーンの中に乗る。
それをワクワクしながら口に入れると、甘いチョコの味が口に広がって、ほんわかと幸せという顔になる。
『おいし〜!!はるちゃん、きょこちゃん。おいしぃぃねっ』
はしゃぐ名前に、笑い返すハルと京子。
「そんなに喜んでもらえるなんて、作った甲斐があります。ねっ、京子ちゃん」
「うん。本当!嬉しいね」
ご満悦。
スプーンでまた掬うと、それをジッとみて雲雀の顔を見上げる。
「ん?」
名前の視線に気が付き名前を見下ろすと、名前はチョコプリンの乗ったスプーンを雲雀に向ける。
『はい!!』
「……」
『あのね、おいしいからきょうやくんもたべてっ』
雲雀は、名前のスプーンに乗ったプリンをパクリと口にする。
それをワクワクした顔で、雲雀の顔を見上げる名前。
『おいしい?』
「おいしいよ」
雲雀の感想に満足したようで、雲雀の膝に自分の座る位置きちんと据えると、またチョコプリンを自分の口へと運び、『おいしい!』と連呼して幸せそうな顔をする。
「名前…顔に…プリンが付いてる…」
『ほえ?』
雲雀は、名前の顔に近づきつつ名前のあごにそっと手を当て上に上げると頬に付いたプリンをペロリと舐める。
「…このプリンの方がおいしいね」
『えー!!おなじちょこぷりんだよぉ???』
「そう?」
クスクス笑う雲雀。
「名前…イチゴプリン食べる?」
『!たべたい!いいの?たべる〜』
「チョコのお返し」
雲雀がスプーンでイチゴプリンを掬うと名前の口に運び、パクリと食べる。
『いちごもおいしいぃぃー!ねっ!』
雲雀と名前の様子を、全員が唖然とした顔で見つめる。
そして全員が心の中で…
何このバカップル????
そう呟いていた。
**********
盛り上がった?昼食会も終わり、はしゃぎ過ぎた名前は、いつの間にか雲雀の膝の上で眠ってしまい、雲雀に抱きかかえられたまま帰って行った。
残ったメンバーは屋敷に戻り、ハルと京子は後片付けで台所へ、他のメンバーはリビングでくつろいでいる。
「名前ちゃん可愛かったなぁー。でも、あんまり名前ちゃんと遊べなかったのが残念…」
雲雀の意外な一面を見れて面白かったたツナではあるが、今回の昼食会で名前にもっと絡もうと思った計画がうまく行かずに、残念そうな顔をする。
「10代目申し訳ありません。オレが遅れたりしたから…」
「ん?別に隼人のせいじゃないよ」
恐縮する獄寺に、呆れた顔をする。
「それにしても、雲雀は名前を本当に気に入っているのな〜」
ソファーで寛ぎながら思い出したように山本が呟く。
「名前ちゃん可愛いからね」
「意外っすよ。あの雲雀の野郎…偽者じゃないんですか?ありえねぇ」
そういう獄寺に、笑いながら賛同する了平。
「まったくだ!あの雲雀の変わりようは極限驚きだ!!」
「名前可愛いからな。なんか、見てると独占したくなるのなぁ〜」
山本の言葉に「うんうん」と全員が頷く。
「あれ?隼人…小さい子は苦手じゃなかった?」
頷く獄寺に、あれ?っと気付いてツナが問い掛ける。
その問いに、顔を若干赤くしながら慌てる獄寺。
「あ、え??に、苦手っすよ!10代目なに言ってるんですか!」
(……。隼人…今、頷いてたじゃん…。)
ツナが獄寺に冷たい視線を投げ、焦りながら誤魔化す獄寺。それを可笑しそうに見る山本。
(獄寺は、素直じゃないからなぁ〜)
**********
「今日は楽しかったですねー京子ちゃん」
食器を洗いながらニコニコするハル。
「うん。楽しかったねー。それと、名前ちゃん可愛かったね」
「そうなんです!名前ちゃん可愛いです!雲雀さんにもメチャメチャ愛されてちゃってますから」
「本当だよね!びっくりしちゃったよ!」
「ラブラブです」
「ちょっと羨ましいよね」
「本当ですぅー!女の子はやっぱり愛されて幸せです!!!」
名前を羨ましがるそんな二人。
**********
「恭さんお帰りなさい。おや?名前さんは寝てしまってるんですね」
「はしゃぎすぎ…。哲。布団敷いて」
「へい」
和室に敷いた布団に名前を寝かすと、雲雀はその横に座り、草壁が入れた緑茶を飲みながら一息付く。
そして、眠る名前の顔にそっと手をのばし触れる。
「今日は…楽しかった?」
静かに呟く雲雀の声は、ぐっすりと眠る名前に届かない。
それでもなぜか…答えるかのように楽しそうな寝顔。
『…う…きょや…くん。えへへ…ぷりん…おいし…ね。……だいす…き…うにゃ〜』
名前の小さい寝言に耳を傾ける。
夢の中でも、雲雀一緒なのだろう。
……。
大好きって…名前…。
それは、プリンが?それとも、ボクが?
「ねぇ。寝言の続き聞かせてよ…」
どっちが好きと言う事なのか寝言なのに気になる雲雀は、続きを聞こうと名前の横にゴロリと横になり、意地悪気に笑いながら名前の頬を突っついて……。
2009.9.27
* ATOGAKI ********
なんか…だらだらしてしまったですよね…
ふーいつもの如く反省です。
なので、無理やり的に…終わらせたりして!
獄寺とか…ツナともう少し名前ちゃんを…絡ませたかった気もしますが…それはまたの機会に!
って事で、次のネタに行きたいかと!
さて…次は???(←何故疑問系?)
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