Lunch time6
名前と山本が、獄寺を迎えに行った後の庭では…
雲雀と了平を止めようとしたお陰で殴られたツナが,
恨めしげに二人を睨んでいた。
「もー!二人と子供じゃないんですから…喧嘩しないでくださいよ。痛いなぁ…なんでオレ殴られなきゃいけないんだろう…」
元凶の二人に文句を言うものの、あまり効果は無いようで…了平は頭をかきながら笑い、雲雀に至っては不満気な顔をするだけ。
「はははー悪い!悪い!しかし、急に間に入ってきた沢田も悪いのだぞっ。拳は急には止まらんからなっ」
「まったく…君、余計な事しないでよね。それに、拳が止まらないんじゃなくて、自分の空回りが止まらないじゃないの?」
「なんだとぉ!!!」
雲雀の台詞に反応し、雲雀に向けファイティングポーズを繰り出す了平に、トンファーを構える雲雀。
「わーぁぁ!!!もう!いい加減にしてくださいってぇ」
再び始まる二人の喧嘩の間に入るツナに、またもや了平からは、右ストレート。雲雀からは、トンファーがツナに炸裂する。
「!!!!!!」
喧嘩を止めようとして…殴られ…文句を言われ…また殴られ…なんという損な役回り。多分今日のツナの運勢は最下位なのかもしれない。
そしてここに、リボーンが居たら絶対に言われていたに違いない「このダメツナが!」と。
散々なツナに、ハルが心配そうに冷やしたタオルを渡す。
「ツナさん大丈夫ですか?ごめんなさい…私たちが頼んだせいで…こんな目に…」
京子も心配そうな顔でツナを見る。
「ツナ君ゴメンね…お兄ちゃんたら…」
そんな二人に、ツナは大丈夫と情けない顔で笑い掛ける。
「まったく。君のお陰で、不届き者を咬み殺す気がなえた」
雲雀はため息を付いて、元居た場所にに戻り座る。
「ははは…それは良かったです。やられ損にならなくて」
ツナは、嫌みを込めてみたものの雲雀にどれだけ届いたかは不明である。
騒ぎが落ち着き雲雀は回りを巡らすと、そこに先程までいたはずの名前の姿が見えず不審な顔をする。
「ねぇ。名前は?」
誰にと言うのでもなく言った言葉にハルが返事を返した。
「えっとー。名前ちゃんなら、さっき山本さんと一緒に獄寺さんを迎えに行きました。そろそろ戻ると思いますけど…」
ハルは言いながら、雲雀の顔が不機嫌そうに変わるのを見て、言葉尻が徐々に小さくなっていく。
そんなハルの言葉に、ツナが反応する。
「山本…名前ちゃん独り占めって事?ずるいなぁ〜。ねぇ、雲雀さん」
ツナは、ニヤニヤ笑いながら雲雀に振ると、雲雀はツナをジロリと睨んだが直ぐ面白くないと言った顔をしながら視線を逸らし、屋敷の方へと顔を向けた。
「なにぃ?山本の奴。オレが来たばかりと言うのに名前を連れて行くとは極限許せんぞ!プンスカだ!」
了平は、雲雀と揉めていた割りに、ドカリと雲雀の横に座り大声で山本への文句を言い放つ。
「…はぁ……相変わらず煩い…」
雲雀は、了平の大声に顔を顰めながらボソリと呟いた。
**********
『あのね、ぷりんすき?』
山本と獄寺二人に挟まれつつ手を繋ぐ名前は、楽しそうにこれから食べられるプリンにはしゃいでいる。
『わたしだぁぁぁ〜いすきぃ〜!!!たべるとね、おかおがふわぁ〜ってなんの ほんとうだよぉ』
そんな名前を微笑ましく見る山本は、楽しげに相づちを打つ。
「そっかぁ。名前は、プリンがすきなのか」
『うん。あーあとねぇーはるちゃんとぉつなさんとたべた、いちごのけーきもおいしくてすきぃ』
「んー。お菓子が好きなんだな」
『あとね、あとね、たまごやきもすき。あとねーあとねー』
名前は好きなものを次から次へと連呼し、その度に、楽しそうに笑いながら繋ぐ手をブンブンと振る。
「いっぱいあるのなー俺も、好きなものいっぱいあるぞ」
『ほんとー?たけしくんはぁなにがすき?』
「んーそうだなぁ〜名前かな」
『う?わたしーたべもんちがうよ??』
「ん?そっかぁ?食べれるかもせれないぜ?」
『ええええーっ』
ビクリする名前を見て笑う山本に、獄寺が溜息交じりで呆れた顔を山本に向ける。
「ったく。変な事チビ相手に言ってんじゃねえぞ!それに、お前もマジに受けるな!食える訳ねえだろが」
獄寺をキョトンとした顔で見る名前。
『たべない?』
「ったりめーだっつーの」
「ははは…名前悪リィなぁ〜冗談だって。でも、名前は好きだぜっ」
『お??わたしもーたけしくんすきっ!はやともすき!』
獄寺は名前の台詞に、急に自分の事を言われ慌てながら驚いた顔で名前を見つめる。
「ははは!獄寺なに照れてんだって」
「なっ!!!て、照れてねー!!!!!」
山本の突っ込みに焦る獄寺。
それが面白く、獄寺が慌てる原因を作った本人はきゃっきゃと喜んで笑っている。
「ったく…変な事言うなつーんだ」
『なに?』
文句を言われ、キョトンとする名前の頭の上で丸くなっていたいたヒバードがふと顔を上げ、視線を前に向ける。
「ヒバリ ヒバリ」
そう連呼しながら、雲雀の姿を捉えパタパタと飛んで行く。
3人の視界に庭に居るメンバーの姿が見えるた。名前は嬉しそうに顔をぱぁ〜ッと輝かせると、山本と獄寺との繋いでいた手を離し、パタパタと走り出す。
そんな名前の後姿を見つめる二人。
「あー名前に振られた…」
「んだそれ?」
「んーそうじゃねぇ?」
残念そうな顔をしながら、名前と繋いでいた手で、頭を掻いて笑う山本。
「別に関係ねえだろ」
獄寺は、フンと鼻を鳴らしつつスタスタとツナの方へ歩いていくが、先程まで感じていた名前の小さい手の温もりが無くなり少々…物足りなさを感じた。
そして、嬉しそうに名前が走る視線の先には、雲雀が居た。
2009.9.24
* ATOGAKI ******
あ…めっちゃ久々ですね…本編1ヶ月振り!
そしてこの「Lunch time」いつ終わるんでしょう?(ってー自分が聞くな?)
一応…次で終わるかと思われです。
まだプリン食べてないですから(笑)
もう少々…お付き合いくださいませ♪
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