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Lunch time4

美味しいものは、食べたら美味しいのは当然だけど、それを更に美味しくするエッセンスが存在する。
それは、大好きな人達に囲まれて、楽しく食べる事。
そうする事で、美味しさは10倍にも100倍にもなる。

そんな素敵エッセンスに現在囲まれている名前。

『おいし〜ねぇ』

幸せいっぱいの笑顔に、ハルも思わずつられて笑顔になる。

「良かったです。頑張って作ったんですよ。ね〜っ。京子ちゃん」

ハルの隣に座る京子も、笑顔返す。

「うん。名前ちゃんが喜んでくれて、本当うれいなぁ。
あ、唐揚げ食べる?」

『うん』

雲雀の横にちょこんと座っている名前は、皿を持って立ち上がり、京子の所にトコトコ近づいて唐揚げを皿に乗せてもらう。

『ありがとっ』

ニカッと笑って、トコトコ雲雀の隣りに戻る。

『きょうやくんみて〜っ。からぁげっ』

貰った唐揚げを雲雀に、見せる。

「うん」

雲雀が返事をすると、美味しそうにモグモグ食べる。

「名前。寿司食ったか?」

『ん?』

ピョコとお寿司に反応して、山本を見る。

「どれ食う?」

言われ、今度は山本の方にトコトコと歩いて行く。

「どれも旨いぞ」

イロイロなお寿司がある中、目に留まる黄色いお寿司。

『あ〜それ、たまごやき?』

指差し、山本を見る。

「ん?卵焼き好きなのか?」

『うん』

「じゃあ、まずこれな」

皿にたまごのお寿司を乗せてもらう。

『おぉ〜!!ありがとっ』

たまごに感動しながら礼を言うと、またトコトコ雲雀の隣りに戻る。

『きょうやくんみて〜っ。たまご』

「良かったね」

『うん』

モグモグ。

あれやこれやと勧められる度に、名前は『うん!』と頷いては取りに行き、雲雀の横に戻って報告してから食べている。

その動きにが可愛いく、名前を呼ぶ。

「なぁ名前。なんで、一々雲雀んトコ戻って報告して食べるんだ?」

一々戻る必要があるのか不思議に思った山本が問い掛けた。

『お?』

「別に、すぐ食べちまえばよくないか?」

『ん〜』

両腕を組んで、山本の意見を名前なりに考えてみる。

「名前ちゃん。ポテトサラダ食べる?」

考えていたが…ツナに声を掛けられると、考える事より食欲!とばかりに嬉しそうに頷いてツナの所へ行くと、皿に乗せてもらい嬉しそうにしている。

「ここで食べてみれば?」

『ほぇ?』

名前の視線は、ポテトサラダからツナに移動し、最後は雲雀で止まる。

「美味しいよ」

優しく微笑むツナの横に、ペタンと座りポテトサラダを食べる。

『……』

モグモグ…。

「どう?」

『おいしぃ』

食べ終わると立ち上がり、やはり雲雀の横にまた戻る。

『あのね、ぽてさらだぁおいしかったぁ』

雲雀に報告する。

「そう」

『うん』

雲雀に頷きながら、名前閃いたという様な顔で山本を見ると

『んとぉ、んとね、おいしいのたべるとき、きょうやくんとこでたべるとぉもっとおいしぃってなる』

えへへ〜と、嬉しそうに笑いながら雲雀にくっ付き、山本の質問に答える名前。

((((かっ可愛い…))))

そんな名前にキュンと、打ち抜かれた4人。


『ねーねー。きょうやくんもぉ、おいし?』

「美味しいよ。名前といるからね」

『えへへ〜』

サラリと返す雲雀。

((((おい!おい!別人ですか?))))

雲雀と思えぬセリフに、各々心の中で突っ込んでいたりする。


そんな中、了平がドカドカと豪快に現れた。

「おー!!スマン、スマン、極限!遅くなった!」

「お兄ちゃん。遅かったね」

京子に言われ、いゃ〜と遅刻した事に少々閥が悪いのか、良平は頭をガシガシ掻いている。

「少しのつもりのロードワークが、果てしなく行ってしまった!

おっ!名前!元気か?」

了平の登場に、名前は、ピョコっと立ち上がり、嬉しそうに了平に走り寄る。

『りょーへーおにいちゃん』

「「「「おにいちゃん?」」」」

雲雀以外のメンバーは、驚きの顔で了平を見る。雲雀は「ふん」と不満の声を小さく漏らしている。

名前を嬉しそうに高く抱きかかえる了平。

ピクッ…。

「先日。名前を妹にしたのだ。なっ。名前」

『うん』

ピクッ…。

「京子!お前に、妹が出来たと思ってくれ」

何故か…ガッツポーズ。

「お兄ちゃん。勝手に決めちゃだめだよ…」

京子は、チラリと雲雀を見た後…困った顔を了平に向ける。

「何を言うか!名前も喜んでるぞっ!なっ」

『おう!』

2人でガッツポーズ。

ピクッ…。

「おっ。雲雀!元気かぁ?」

先程から雲雀の不機嫌度が、ピクッピクッと上がっているのが傍目からも分かるのだが、了平は空気を読む事無く上機嫌で抱えた名前を下ろし、雲雀の横にドカッと座る。

そんな了平を、冷ややかに見つめる雲雀。

「前にも言ったけど、名前に余計なモノはいらないから」

「何!?雲雀!!余計なモノとはなんだっ!!お前、了見狭すぎだぞっ!もっと広い心でだなぁ…」

「狭くて結構。それに…」

了平をジロリと睨む。

「笹川了平。君には、名前の件で迷惑を掛けられているからね」

了平は、雲雀の言葉の意味が分からず、不信に思いながらその言葉を受ける。

「憤慨の極みだよ…」

「意味が分からん。オレが何かしたのか?」

眉をひそめ原因になるような事が、あっただろうかと首を捻って考えてみるものの、一向に見当が付かず困惑すしかない。

「ワオ。自分が何を言ったのかも分からないなんて…最悪だね」

呆れたように肩を竦める。

「なに〜ぃ!!言われのない非難を受ける覚えはないぞ!極限!プンスカだあぁぁ」

「ふん。咬み殺す…」

了平、雲雀は睨み合う。

その横で、何が何だか分からずアワアワと慌てる名前。

「きょ、きょうやくん??りょーへーおにいちゃん??」

ど!どうしよ〜

と…思っても一体どうしたらいいのか…話の経緯は分からないが、どうやら名前の事が原因の様なのは確かである。

『けんかだめーッ!!』

2人には聞こえていないようだ。
そんな中、ヒバードは呑気に名前の頭にポフリと乗る。

「ケンカ ケンカ」

『う゛ー』

何ともうまく行かない気持で、ジタバタする名前にツナが近づく。

「名前ちゃん。大丈夫だから」

『ふぇ?だいじょぶ?』

「あれは…ん〜。なんて言うか〜二人のスキンシップだから」

『ん??すぅ?しぷ?』

ツナの言っている意味がよく分からず、とにかく二人が心配で、若干涙目の名前はツナをを見上げている。

ん〜なんか…この顔可愛いなぁ…。

不謹慎な事を思うツナ…。

不安そうな眼差しの名前の柔らかい頬を、ツナは両手で触れ優しく微笑掛ける。

「二人は、なかよしだから…これから…ボクシングごっこするんだよ」

ん〜ちょっと…苦しい言い訳だなぁ…と思ったが、名前を見るとなんだか納得しているようだ。

『そっそっかぁ〜なかよしさんなんだぁ〜』

「ナカヨシ?」

不思議そうに首を傾けるヒバード。

『ツナさん!きょうやくんとぉ、りょーへーおにいちゃんなかよしなんだねぇ』

純真な瞳で名前に見つめられ、少々後ろめたい気もしたが、ニコリと笑って頷く。

『そお〜なんだぁ。よかったぁ』

ん〜オレも、名前ちゃんが、信じやすくて良かった。
まったく…雲雀さんも大人気ないなぁ…。
まぁ、お陰で名前ちゃんは、雲雀さんから離れたけどね。

少し離れた所で、トンファーを構えた雲雀と、ボクシングのファイティングポーズの了平が睨み合っている。

「ははは。いやぁ〜アイツら元気いいのなぁ〜ボクシングごっこかぁ」

名前以外にも、騙されやすい人物。山本が居たりする。

名前は、なんとか落ち着いたものの、睨み合う二人を見て溜め息混じりの京子。

「ツナくん。お兄ちゃん達…なんとかならないかなぁ?せっかく来たのに…」

「ツナさん!お二人を止めてください!」

ハルも京子に賛同して、ツナになんとかして貰おうという眼差しを送る。

「え…オ、オレ?」

二人の視線を痛いほど受ける。

なっ、なんでオレなの〜!?山本だっているじゃない!

「……」

ツナは、溜め息を付きながら立ち上がると、肩を落としつつバトルモードの空間へ嫌々…歩いて行く。

「ツナくん!よろしくね」

「流石!ツナさんですぅ」

二人の声援を受け、恨めしそうにチラリと見つめる。

「あ〜ついてないなぁ」

『お?つなさんも…きょうやくんとこいくの?』

自分も行こうと立ち上がるが、山本の手が名前の肩にポンと乗り、山本に何?という顔を向ける。

「名前。ちょうどいいから、獄寺迎えにいかねぇ?」

『うお?いくぅ』

「よし!行くか!ハル。笹川。オレら獄寺呼びに行ってくるな」

「はひ?そうですねー、獄寺さんの食べ分無くなっちゃいますもんね」

「そうだね〜じゃあ、あと…ハルちゃん、みんな揃ったらデザートも出そっ」

「そうですねっ」

デザートと言う単語に反応する名前。
それに気付いたハルと京子は、クスクス笑う。

「デザートは、プリンですよ」

『ぷりん!おいしそおぉぉ〜』

「よし!じゃあ早いトコ行こうぜ」

歩き出す山本に、パタパタと走って行く名前。

『ハルちゃん!きょこちゃん!いってきまぁぁ〜す』

ぶんぶん手を振る名前に、「行ってらっしゃい」と手を振り見送る二人。



『たけしくん。まって〜ぇぇ』

「ん?わりい早かったか?」

名前は首を振り、山本の手を掴みニコニコ笑う。

『あんね、ぷりんだよぉ』

「ん?」

山本は、デザートのプリンよりも、自分の手を掴む名前の小さい手を感じ、その手がなんとも愛おしく思え、足を止め名前を見つめる。

『おててつなぐの…だめ?』

急に止まってしまった山本に、不安気な顔で山本の顔を下から覗き込む名前。

「あ〜、ははは…ごめんな。ダメじゃないぜ。名前って、本当面白れぇのなぁ〜」

『ん??』

山本は、少しだけギュッと小さな手を握り締めると、楽しげにまた歩き出す。

『ん?ん??』

山本の面白いという意味が分からなくてキョトンと不思議そうにしていた名前だが、直ぐに気を取り直し楽しそうに、山本と繋ぐ手をブンブン振りながら歩いていく。

その二人の後を、ヒバードがパタパタと飛んで付いていく。


2009.8.19
*ATOGAKI******
あ〜獄寺まで行きませんでした!やむなしです!!
あ〜ちなみに、雲雀さんは、前に了平が雲雀は子供が苦手と名前ちゃんに言って、不安にさせたんでお礼参りです(後書きで説明すんな?…すみません(∋_∈;)ガク)

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