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Lunch time3
名前は、山本の肩に乗り、高い視界が楽しくニコニコ顔。
いつも雲雀や草壁を見上げる立場の自分が今は、山本を見下ろしている。
それがまた、嬉しくウキウキ気分を加速させている。
自分の肩に乗り楽しそうにする名前が可愛く、微笑む山本。

『あのね、あのね、楽しいねっ』

「んなに楽しいか?」

『うん!』

元気に返事を返す。

『だってね、はるちゃんとぉ、たけしくんとぉ、つなさんとぉ、きょこちゃんとぉ、ヒバードとぉ』

名前を順々に挙げながら指を折り、クスクス笑う。

『きょうやくんとぉいっしょだからぁ〜』

最後に雲雀の名を挙げ、頬をピンク色にしてキャーキャーとバタバタ暴れる。

「と、、名前!暴れると落ちるぞ」

肩の上なのを忘れジタバタする名前の体が、ぐらりと揺れる。

『うおっ!!』

驚き、思わず山本の頭をぎゅっと抱える。
そんな名前を「ははは」と笑う山本に、恥ずかしそうに唇を尖らせせる。

「相変わらず元気なのなぁ〜」

『うん。げんきぃ!』

「名前ちゃんは、いつでも元気ガールですもんね」

横を歩くハルがにこやかに付け加える。
そんなほのぼの三人組に、ツナや雲雀の姿が見えてくる。
その方角から、パタパタとヒバードが飛んで来ると、当たり前のようにポフリと名前の頭の上に乗った。

「名前をカタカナで!名前をカタカナで!」

『あ〜ヒバードぉ。ただいまぁ』

「オカエリ オカエリ」

可愛い声が返事を返す。
ヒバードと名前のやり取りを見る山本。

「やっぱ、名前は雲雀の連れなんだなぁ」

再認識するように頷く。

『ん?』

そんな名前は、首を傾げて不思議そうに山本を見つめる。


一方で、山本に連れられ戻る名前姿を捉える雲雀。
無表情にジッと見つめている。
側にいるツナは、冷ややかな雲雀に嫌な予感を感じ、チラリと見る。

「なに?」

ツナの視線を感じ、不機嫌そうな顔をツナに向ける。

「山本来ましたね」

「見れば分かるよ」

「名前ちゃんと、ハルも一緒ですね」

「だから見れば分かる」

何が言いたいの?雲雀の視線がツナにそう伝わる。

雲雀さん…名前ちゃんの事になると怖いからなぁ…。
まあ、山本の側で楽しそうな名前ちゃんは、オレも少し妬けるけどね…。
あれ?でも…二人は、知り合いなのか?

『きょうやく〜ん!ただいまぁ』

名前に、雲雀の心内が分かる訳もなくキャーキャーと山本の肩で楽しげにし、雲雀の方に手を伸ばして帰って来た事をアピールしている。

「よう」

名前と共に楽しそうな顔で軽い挨拶をする山本。
雲雀はすっと山本に近づくと、軽々と山本の肩から名前を下ろし、自分の手の中に取り戻す。

『うお?』

「なんだよ雲雀。名前取り上げかぁ?」

山本の抗議の声に雲雀はフンと顔を背ける。
名前はと言えば、楽しくて興奮状態のあまり、雲雀の腕の中でキャーキャーとジタバタしながら雲雀に笑い掛けると、名前に対して優しい顔で微笑み返す。

『きょうやくん、あのね、あのね、はるちゃんにしょ〜どくしてもらったよ』

「そう」

『とね、したらね、う〜ってなったの!けどぉがんばったのぉ』

一生懸命雲雀に話す名前の姿にクスリと笑う雲雀だったが…。

『でぇ、したらぁ〜たけしくんとあったんだよぉ!ね〜っ!』

名前は、同意を得ようと頭をちょこんと傾け可愛く山本に顔を向ける。

ピクッ…。

雲雀の顔が引きつるのを音にするならこんな感じだろうか?
雲雀は名前の言葉に反応し、眉を潜め山本を睨む。

「たけし…くん…?」

呟く雲雀。
山本は、名を呼ばれニカッと雲雀に笑い掛ける。

「だぜっ。なっ名前」

「うん」

天然の山本と、名前はニカニカと笑いあっていて、この一体の空気…いや、雲雀が纏っている冷たい空気を察知していない。
ヒシヒシと痛い程感じるのは、残されたメンバー。と言うか、ハルとツナ。
京子は、何?どうなってるの?今一つ空気を読めず、シートに座っている。

はひ〜っ。何でしょうか!!この張り詰めた空気はっっ。なんとかしてください〜ハル耐えられません!

ハルは思わず天に向けて祈る。

「ねぇ。山本って…名前ちゃんと会ったことあるの?」

この空気のなか、ツナは山本に問い掛ける。

ツ、ツナさん!?そのセリフはもしや、火に油を大量挿入ではないのですかっ!!

ハルは、焦りながら心の中でツナにツッコミながらワタワタ。
山本は、そんなハルの不思議な動きを眺めながらツナに答える。

「ああ、前に名前がデパートで迷子になってる時に会ったんだ。なっ、名前」

山本は答えながら、名前の頭に触れようとしたが、雲雀に払われ「おっ」と、意外な顔。

「迷子って…あの時?」

邪魔な手を払った雲雀は、名前を見つめ質問すると、名前は、元気に頷く。

「ふ〜ん…」

納得しながら名前の頭を撫でる雲雀に、「なぁ…名前を自分ばっか独占かよ」と、山本が不満の言葉を投げる。
それをフンと受け止めた雲雀は、山本に向かい微かに微笑えむ。

「迷子の時は世話を掛けたね。山本武。礼は言っておく」

「おっ?雲雀から礼を言われるとは思わなかったぜ」

「なに?その態度。文句あるの?」

「ははは…礼を言われたのに文句なんてねぇし。それにしても…」マジマジ雲雀を見つめ「名前が言ってたきょうやくんがなぁ…本当に雲雀だったのが驚きなんだよなぁ」

手を口元に持って行きくっと笑いを我慢している山本。

「………」

山本の態度が気に入らない雲雀は、ボ
ソリと「咬み殺す」と呟く。

『ええぇ〜っきょうやくん!!たけしくんかむ?』

名前はビックリして目をパチパチしている。

「……」

慌てる名前の姿が、雲雀の咬み殺す気分を萎えさせ、目を伏せため息を付く。

『う?』

「今日は、ゆるしてあげるよ」

ぷいと山本から離れ、名前を抱えたままランチが用意されているシートに座る。名前は必然的に雲雀の膝の上にちょこんと座っている。

「あっ!!みなさん、えっとぉ〜ランチにしませんか?」

ハルは立ったままの山本や、ツナを促す。

「そうしよっ。お腹空いたよね」

京子もハルと共に、ランチを進める。

「そうだね。取り合えず始めようか。名前ちゃんもお腹空いたでしょ」

ツナも雰囲気を変えようと楽しげに名前に笑い掛ける。

『うん。おなかへったぁ〜たべたい!すご〜くぅおいしそお〜』

目をキラキラさせて目前のご馳走を見つめ、待てのポーズをする子犬の様だ。
そんな名前を見て、笑うメンバー。

『ん?なになに?』

笑いのネタが分からずキョロキョロする。

「名前。食べ過ぎないでよ」

『うっ?』

「名前腹ペコだったもんな。さっき腹の虫が鳴ってたもんなぁ」

山本は、ニヤニヤ笑う。

『えぇ〜っ!!ぐ〜て、おなかにむしさんがいるからなのぉ?』

自分のお腹をマジマジみながらお腹に手を当てる。『しらなかったぁ〜むしさんこんにちはぁ』と挨拶をする。

「そんな訳ないでしょ。虫なんていないから」

冷ややかな雲雀。

『うぉ?いない?』
山本は、そんな名前を笑って「やっぱり名前は、面白いなぁ」と、ウケている。

「さ〜みなさん♪召し上がってください。ハルと京子ちゃんの力作ですよ」

「おっ、俺の持って来た寿司もあるからなっ」

のどかな昼下がり
まだ来ていないメンバーがいるものの…
ランチは、始まります。

『いただきまぁぁ〜すぅ』


2009.8.8
* ATOGAKI ******
いや〜なんか、山本、雲雀、ツナ対決にはなりませんでしたね…。

さて、やっとーお昼ご飯ですよ♪
私もー山本のオジサンの絶品寿司食べたいなぁ〜

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