Strawberry ふぁ〜。 大きな欠伸をしながら、眠い目をくしくしと擦る。 「そろそろ寝たら?」 雲雀は自分の足にもたれ掛かる名前を見下すと、名前は眠いくせに頭を横に振る。 『ねむ…ないもん』 「どう見ても眠そうだけど?」 『う゛〜』 唸りながら眠い顔を雲雀の膝にくっつけて犬がすり寄るような仕草をしている。 そんな名前を撫でながら「犬みたいだよ」と笑う雲雀。 『いぬないよ!』 ぷーぅと頬を膨らませ不満げな顔を向けるが、それも可愛いようで、雲雀は笑ったまま名前の膨らんだ頬を突っついた。 「不細工になってるけど」 『う?ぶさいくないもん!』 転がったまま足をバタバタさせて抗議する。 そんな二人の世界に浸っている所に、襖を開け草壁が入って来た。 「名前さん。そろそろ寝る…」 雲雀とじゃれているのを見て止まる草壁。 またも…イチャイチャカップルモード…。 コホン。 草壁は、咳払いをして雲雀に自分の存在をアピールする。 雲雀の視線が草壁に一瞬移動したが、また、名前を構いつつ「哲。風邪?」と、ワザとらしい言葉を投げた。 「いえ」 そんな草壁に気付いた名前は、首をちょこんと傾げ 『てつさん。おかぜ?』 心配そうな顔をする。 「いえ、違いますよ。ただの咳払いです」 『せき…はらい?』 なんだかよく分からなかったが、大丈夫の様で『よかったぁ〜』と草壁に笑い掛ける。 そんな名前が可愛いく、笑い返す草壁だが…名前の側の人物の顔が、若干睨んでいるような…。 恭さん…。すみません。 心の中で恐縮し、話を当初の用事に戻す。 「名前さん。そろそろ寝る時間ですよ」 『やぁ!!!』 ニコニコしていた顔が急に不満気な顔になり、雲雀の足を掴んで抗議の態度をする。 「しかし…」 困り顔の草壁。 雲雀は、名前の頭に手を置き 「わがまま言い過ぎじゃない?」 『う゛』 雲雀に言われ、小さく唇を噛む。 『だって・・・ きょうやくんと、おやすみ…したいんだもん ……』 「ワォ」 自分の足にしがみつく名前をマジマジ見つめる。 『う゛ー』 「「(かわいい…)」」 雲雀はクスリと笑い、思わず名前の頭にキスをする。 『ん?』 不思議そうな顔で、雲雀を見上げる。 「部屋に戻らなくていいから」 『んとー??』 「僕と寝ればいい」 雲雀の顔をじーっと見つめる。 「なに?」 『あしたも?』 「うん」 『そんつぎも?』 「うん」 『そんつぎの、そんつぎも?』 「ずっと」 『……』 雲雀は、名前の柔らかい髪をいじりながら、見つめている。 『ほんとぉ〜!?』 嬉しそうに興奮気味で顔を赤くしながら笑うと、立ち上がってぴょんぴょん跳ね回っている。 「…跳ねすぎ」 『うっ』と動きを止め雲雀顔を伺うと、少し眉をひそめてはいるものの、口元は微かに微笑んでいる。 名前は、雲雀の近くに戻って、照れながら笑い掛ける。 『えへへへ』 「へんな顔」 『うー!!!へんくない!うれしかおだよ!』 「それは良かったね」 『うん!!』 草壁も名前を見て、微笑む。 「では、今日からこちらに2つ布団を敷きます」 「うん」 『はぁぁぁーい!!』 「ねぇ。声大き過ぎ」 とにかくはしゃぐ名前は、嬉しすぎる様で眠気が飛んでしまい興奮気味。 これでは、寝ないのでは?と不安に思う草壁ではあるが、ここは恭さんにお任せしようと、二組の布団を敷くと部屋を出て行った。 名前は、嬉しくて布団の上で足をバタバタさせている。 それを見てため息交じりの雲雀。 「ねえ、寝ないの?」 バタバタする足を止め、きょとんとした目で雲雀を見る。 『だてぇ、ねむないもん』 「寝なよ」 『いやーぁ!!!!』 ぶーっとした顔で、もっと起きているんだとバタバタする名前を、抱き締めて動けないようにし雲雀も一緒に横になると、名前は動きを止める。 大人しくなった所で、雲雀は名前の額に自分の額を付けて見つめる。 「夜更かしは駄目よ」 『う…』 不満気な顔で口を尖らせた名前の口を、摘んでクスクス笑う。 『…きょうやくん』 「ん?」 『いいしょいてね』 「いるよ」 こてっと頭を雲雀に付けて甘える名前の頭を優しく撫でる。 興奮が冷めたようで、大人しくなった名前は、雲雀を見て急に質問をした。 『あのね、きょうやくんはーいちごすき?』 「苺?」 『うん』 今日、沢田とも苺の話をした気がするけど…。 とりあえず、名前の話に耳を傾ける。 『あね、きょうハルちゃんとーけーきたべてぇ』 「うん」 『いちごのけーきたべたのぉ』 「そう…」 嬉しそうに笑う名前の撫でる。 『あんね、きょうやくんといっしょたべたいの。おいしいのはいっしょしたい!いちごすき?』 キラキラした瞳で雲雀を見つめる。 「んー。名前の方がいいかな」 『う?』 雲雀は意地悪そうな顔で笑い、名前の頬を摘む。 『いたぁー』 「ねぇ、食べていい?」 『だめぇ!わたしわぁーたべれなのぉ!きょうやくんツナさんといっしょぉ??』 名前の台詞に、雲雀の動きがピクリと止まり、ジッと名前の顔を見る。 『ほえ?』 「ねぇ。ケーキって…誰と…何処で食べたの?」 優しい口調ではあるが、どこか黒い何かを感じる。何?と、名前は、雲雀の様子を伺うように見る。 ニコリと笑い掛ける雲雀。 『おおお?』ちょっと驚いて雲雀から離れようとしたが、ぐっと捕まえられていて動けない。 『あのぉ…ね』 「うん」 『ハルちゃんとぉーけーきやさんいてぇ。ツナさんとこでいっしょたべた』 何か…したかのな?とおずおずと上目遣いで雲雀を見つめる。 『だめ?』 「ん?あ…だめじゃないよ。 そう…沢田と食べたの… ふーん」 視線を名前から逸らし、名前を胸元に抱き寄せて見えないように不機嫌な顔する。 『ううーっ?くるしーよ???』 「ああ、ごめん」 『けーきいっしょたべようね』 雲雀の不機嫌に気が付かず、無邪気な名前は、雲雀と楽しく苺のケーキを食べる事しか頭にないようで、きゃっきゃと喜んでいる。 「……。そうだね、名前となら食べてもいよ」 『ワオ!!』 「ワォ。何にそれ?僕のマネ?」 『えへへ』 それから暫く起きていたが、雲雀に撫でられるのが気持良く、眠気に誘われていつの間にか寝てしまった。 眠る名前の髪を弄りながら、頬にお休みのキスをする。 「……」 無邪気な寝顔の名前。 沢田綱吉…。 資料庫でのあの態度…そういう事…。 咬み殺す。 ********* はくしょん!! 大きなクシャミが部屋に木霊する。 「10代目!お風邪ですか?」 慌てる獄寺に、呑気な顔で「んー」と、少し考えながら首を振り 「多分…噂でもされてるんじゃない」 「噂ですか?」 「うーん。噂というより…意地悪したのがばれたのかもね」 フフフと笑うツナに、獄寺は不思議そうな顔をした。 「気を付けないとねー怖いなぁー」 そして、楽しそうに笑っていた。 2009.6.30 * ATOGAKI *******ケーキの話書いてる時からこのネタ絶対書こうと思ってまして書けて良かった〜☆ と、一人で浮かれる自分であります。 あ、見捨てないでください!!! すっかり、ツナが意地悪的な…気も若干ありますが、基本ツナは優しいよね!きっと! そして、ラブラブで雲雀さんと名前ちゃんにケーキを食べる姿を妄想するのでありました☆ [*前へ] [戻る] |