Stray child
『おおぉ!?』
フロアーで間の抜けた名前の声が木霊する。
「?」
ん〜ん〜
だれ?
名前の手が掴んでいたスーツの裾の先を見上げれば、知らない人物に変わっていた。
買い物の後、雲雀が本屋に寄ると言い、百貨店の上にある書籍フロアーに向かったハズで…
ただ…行く途中。なにやらイロイロ売り場に珍しいものや、楽しそうなもの達が名前を誘惑してついついよそ見をしてしまい、雲雀を追い掛ける場面が何回かあり…
多分、それが原因。
同じようなスーツ姿にスラリとした男の人を雲雀と思い上着の裾を掴んでしまった。
小さい子によくある間違いのひとつではあるけれど…。
掴まれた方も、最初は驚いたような顔で名前を見つめていたが、裾を掴む名前の顔が間違えた!と言わんばかりの困った表情に状況を理解し、慌てる本人には悪いが面白そうな顔でその様子を眺めている。
「間違えたのか?」
爽やか的な笑顔を名前にむける。
『・・・・・・』
「お〜い。大丈夫かぁ〜?」
ポンポンと手の平を名前の頭に載せると、パチパチとまばたきをしやっと我に帰ったようだ。
『きょうやくんじゃない』
「きょうやくん?」
『まちがえましたっっ』
ペコリと頭を下げ、走り去ろうとする名前を、きょうやくんなる相手に間違われた相手は手をのばし、肩をガシッと掴み引き止めた。
『うわわぁ!』
掴まれ、ダッシュが失敗しよろよろしながら、掴んだ相手を困り顔で見つめ返す。
「ちび助。おまえ迷子だろ?」
『まいご?』
「連れが何処にいるのかわかるか?」
言われてハタッとした。
どこに?
そう言われて気が付いた。
自分が迷子になっている事を…
『うううう……』
「やっぱチビ助。迷子なのな?」
『ちがうもん』
「ん?」
『ちびすけじゃなくて。名前だもん』
「お?はははー。チビ助…じゃねえな、名前面白いなぁ。でも、迷子なのは当たりだろ?」
ニカッと名前に笑いかけた。
「オレは、山本武っていうんだ」
「・・・・・・」
その頃、雲雀は不機嫌そうに書籍フロアー付近に立っていた。
「ワォ。どういうこと?」
フロアーの通路を見渡しても探している人物の姿は無く…。
「迷子にならないでよっていったのに…
やっぱり、返事だけだった…」
ため息を付くと。とりあえずもと来た道を戻ることにした。
2009.5.22
.* ATOGAKI *******
はい!やっぱり名前はお約束通り??
迷子っす。
そしてー名前と山本がこんな所でー
会ってみたりして!
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