8月4日*くも*
真っ青な空。
その空に、モコモコとした白い雲が浮いている。
「くもぉ、やわらかいかなぁ?」
モコモコとした様が、綿菓子の様に見える雲。
触ったら柔らかいのだろうかと、届く筈もない空に向かって手を延ばしながら背伸びをする。
そんな名前頭の上の定位置に、ヒバードがのんびりと寛いで乗っている。
『ヒバードはぁ、おそらとべるから、くもまでいけるのぉ?』
名前の問い掛けに、ヒバードは肯定なのか否定なのか首を小さく動かすだけ。
名前も、ヒバードからの答えを期待していおらず、そのままポカンと口を開けながら空を漂う雲を見上げている。
『ひばーどぉ、あんね、くものれたらね、ちょっぴりたべたいなぁぁ。
とね、あまくてふあふあだとおもうよぉ。
でもね、いっぱいたべたら、くもなくなっちゃうでしょぉ〜。
ないとおっこちゃうからぁ、ちょっぴりでがまんすんの。
でね、でね、くもね、ヒバードもいっしょのろーねぇ。
きょうやくんもいっしょのんのね。
でね、あとね、てつさんとぉ、ハルちゃんとぉ、ツナさんとぉ、はやとでしょぉ、たけしくんとぉ、りょーへーお兄ちゃん、きょこちゃん、むっく、くろーむちゃん…んと…いぱいだぁ。みんなでのんの。おっきいくものんないとぉねぇ』
みんなの名前を挙げながら折る指の数が分からなくなって開いた手を見つめ、楽しそうに笑う名前。
いつかみんなで乗れたら嬉しいと。
『あとね、あとね、あと…そのくもにね、くもに、おかあさんものせてあげんの…みんないっしょいいもん。おかあさんのってくれるなぁ…』
みんなで雲にのって、甘い雲をみんなで食べて…。
いつかきっと。
20100804
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