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※藍スタ前提ノイスタ
※ノイトラ目線

※R-15






早まった行動だったと、後から自分を恥じるが、今更どうにも出来ない。

上手い言い訳も見当たらず、それなら正面から進むしかないかと咥内で溜息。間もなく怪訝な顔をするスタークの鎖骨に、指で触れた。
やけに目立つその痕は、衣服を裂いてみれば二ヶ所も三ヶ所も、無数に刻まれていた。

「おい」
「…んだよ」
言いたい事は分かってる筈なのに、素知らぬふりで、欠伸を噛み殺した表情を見せるこのPrimeraが、憎い。
突発的に冷えた廊下に押し倒した身体に馬乗りし、赤を帯びた痕を舌で舐めた。
痙攣した男が、遅い抵抗を初める。
馬鹿、何しやがる。こんなところですんな。誰か来たらどうするんだ。――そんなオナジミの言葉でスタークは俺を否定した。

嫌なら初めから嫌がれよ。
始めてから拒否すんな。
てめぇのそういうトコ
ホント、気に喰わねぇ

「っ…!」
肩まで露呈させ、牙を突き立てた。
同じような痕がじわじわと生まれ、赤みを帯びていく。
「……ノイ、トラ…」
黒い髪が、薄いブルーの瞳が、揺れる。

口唇を離し男を睨めば、ばつの悪い顔を浮かべ、Primeraは沈黙した。
今度はだんまりかよ。
随分なご身分だな。
癖毛を掴み、俯く表情を上げ、無理に目線を揃える。
何処か怯えたような濡れた瞳が、その眼球に俺だけを映していた。
もう片方の手で男の素肌をなぞり、無数の痕に触れる。

気に喰わねえ。
こいつのこういうトコも、
そういう表情も、
この痕を付けたであろう奴も
全部全部全部気にいらねぇ

「誰が付けた?」

何て、聞かなくたってホントは分かってた。
俺がこいつを愛玩具にしてるのは周りも薄々理解してるし、だから俺の機嫌を伺う奴がこいつを手に掛けることはない。
ましてこいつはPrimeraだ。
浅い抵抗をするであろうこいつに傷を付けれるのは、こいつが許した人間か、片割れか、

「……藍染サマ」

主君だけだ。



「抱かれたのか?」
いらいらいら。
こいつを見てて湧き出る感情は
怒りと、憎悪と、苛立ちと
どろどろとした、歪な愛だ。
俺以外の誰かに犯されるこいつを想像して、相手よりこいつに怒りを感じた。

例え藍染だろうと抵抗ぐらいしろよ。
そんな安い拒否だから、俺も藍染も付け上がるんだよ。この糞Primera。
一瞬瞳を伏せた男が、薄目を開く。

「……そうだって言ったら、どうする…」

言い終わってない内から、反射的に指先が動いていた。
スタークの身体を壁にたたき付け、言い訳をする唇を舌で塞ぐ。
藍染惣右介が付けた痕に、爪を立てた。
血が滲む程指先を食い込ませ、唾ごと舌を絡め合う。
だらし無く涎を滴らせ、苦しいのか気持ちいのか分かったもんじゃない顔をするスタークは、恥辱と酸欠で真っ赤な顔をしていた。
舌を離せば糸を引く愛液。
荒く呼吸を繰り返し苦痛に喘ぐ男の帯を外し、細い両腕を括り付ける。抵抗なんてさせてやらねえ。

「てめぇは俺のモンだ。スターク」
だから勝手に他の奴に痕付けられてんじゃねえ。苛々するんだよ。
藍染の付けた唇の痕を爪で潰せば、吐息を吐く男が、此方を見上げる。
薄目を開けた濡れた瞳に、不覚にも鼓動を動かされた。

「…あんたの物に成った覚えなんて、ねえよ……」
口を開けば否定ばかりだ。
身体は正直な癖して、この減らず口が。
腹が立ったから衣服を半分引き裂いてやった。そして露になった孤独の孔を、数値でなぜて舌で喰らう。
「っ、ぁ…!」
艶声を上げたスタークが痙攣した。
あれだけ皮肉を飾った唇は今となっては吐息と艶やかな声だけが交差している。滴る唾液が艶かしく光っていた。
みろ、口だけじゃねえか
身体は全然抵抗しやしねえ
それが"俺のモン"て証なんだよ。

「嫌なら抵抗しろよ。糞Primera」
孔をなぞる舌を少し上へ這わせ、牙を突き立てる。
「ひ、い…ぁ…やぁ…」
雌みたいな声を上げて否定したって、意味ねえよ。馬鹿か。
汗顔するスタークの肌に2つ3つと、わざと目立つ場所に、疵を残す。
「…そこ………見える…」
「見える場所にやってんだよ」

解らせてやる
周りの奴へ、藍染惣右介へ
こいつは俺のモンなんだと

そんで自覚しろ。スターク

てめぇは俺の愛玩具
俺もお前も、とっくの昔に、
お互いに依存してんだよ
だからてめぇは口だけで
本気で抵抗しねえんだ
そうだろう?

「も…、やめ……」

無我夢中で痕を刻む内に、スタークが、泣いていた。
滅多に泣くような奴じゃないから、流石にビビって唇を離す。
両腕の拘束も解いてやれば、自らの肩身を抱いて床に踞ったスタークが、身体を震わせた。

流石にやりすぎたか。と、罪悪感を感じたのは一瞬だけ。
直ぐに湧き出る愛憎が、胸を黒く塗り潰す。

「…次、別の奴に抱かれたら、許さねえからな」

俯き、此方を見ようとしない男に声を投げ、起立してその場を後にした。


んだ愛の象徴劇
(祈る唇を、切り刻んだ)










Q,こいつらはどこでいちゃついてるのか
A,廊下

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