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※藍スタ←ノイ
※ノイトラ目線






この男が嫌いな理由はふたつだ
細かい事まであげてたらキリがねえから
敢えてふたつに絞ってやった

ひとつは、その腑抜け面が第1十刃―Primera―だという事
ひとつは、ああ、口にするのも腹立たしい
こいつから藍染と同じ臭いがする事だ

鼻に障る嫌な臭いは
藍染と同じ臭気だった
同じ香水を使っているのか
こいつが藍染に抱かれているからか
想像するだけで寒気が立つ
吐き気を催す

だから俺は
コヨーテ・スタークという男が
この世で1番嫌いだ

誓ってもいい
まだネリエルの方が可愛い気も合った


「そりゃあ悪かったな」

その旨を全て男に吐き散らしてやるが
男は軽い謝罪を口にするだけだった
眉一つすら動かさない
気丈夫の様でどこか間抜けた
その表情が、気に食わない

歯軋りすれば、
唐突に自ら腕を折り曲げた男が
ゆるりと臭いを嗅ぎだした

この男はこうして時折
訳の分からない事を仕出かすことがある
それもまた気に入らない
気分が悪い

ていうか、
こいつからは
嫌いな箇所しか見当たらねえ

「何してんだよ」

「俺、藍染サマと同じ臭いなんてするか?……て思って」

鼻を痙攣させながら男は呟き
小首を傾げながら腕を下ろす

…こいつ、本当に苛つく
男が此方から目を逸らした
ほんの一時
ゆくりなく男に掴み掛かろうと
手を伸ばした


その手が掴んだのは虚空で
何時の間にか
男は背面で欠伸を噛み殺していた

「じゃ、俺もう行くわ」

呆然としてる合間に
男は怠慢な瞳を見せながら呟き
そして踵を返した

…さっきまで確かに此処に居た筈なのに
なにも分からなかった
躱されるとも思わなかった
しかし男のあの顔を見る限りでは俺の攻撃など
虫同様と思っているのだろう

苛立つ
舌打ちする
壁を蹴り飛ばす
あの腑抜け面の
何処にそんな力が有るんだ
マジで訳わからねえ
いらいらいら

「…おい!!」

消えた男に
せめて何か言ってやらねば
気が済まないと
踵を返し
男が消えた回廊を曲がる

そこには
気に入らない光景が合った


「やあ、ノイトラ」

スタークがそこに居るのは、当然だ
そりゃあ、さっきまで傍に居たのだから
当然と言える

ただ、その目前に
なんで藍染惣右介まで居やがる
怯んで半歩脚が下がった

その手は#1の肩を掴み
まるで男を
"自分の所有物だ"と言わんばかりに
胸元に引き寄せようとしている

男に抵抗の顔色はない

見てるだけで鳥肌が立つ
気持ち悪い
いらいらいらいら


「…ノイトラ」

「……うぜえんだよ、糞プリメーラ」


悪態を吐き
早足にその場を立ち去った

だから俺はてめえが嫌いなんだよ
藍染の言いなりで
所有物で
それに陶酔するお前が
本当に気に入らない
気に入らない気に入らない気に入らない

怒りをぶつける場所を探し
あちらこちらと壁を殴り
床を蹴り上げた

死ね、糞プリメーラ!


叫喚し
二、三度舌打ちして
地団駄した



シガレット・モンシェリー










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