捧げ夢
♪『魅惑な、果実・前編』ハピバ☆彩美ちゃん【黒ツナ:甘裏】
ピピピッ…
『…38.5℃…』
うう…頭痛い…
昨日の学校の帰り、急な土砂降りに合い、濡れて帰ったのが原因だろう…。
今日学校が休みで良かった。
『…お母さん……って、お父さんと二人で出かけるって言ってたっけ…』
今日は二人の結婚記念日で、早くに出掛けた。それに帰りも遅いと言っていた。
はぁ…、お昼ご飯とか作るの面倒臭いな…
いいや、とりあえず寝てよう…。
もぞもぞと布団の中に潜り、寝ようとした…が、
ピンポーン…
『…………』
寝れなかった…!
『…居留守…使っちゃお』
インターホンを無視し、寝ようとした。留守だと思ってすぐに帰るだろう…と思っていたが…
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、
『…!!っ、うるさくて、寝れない!誰だよ…っ!』
――――――――
―――――
―――…
『……………』
あまりにもしつこく、煩いインターホンの音に我慢ができず、玄関を開けてみると、そこには幼なじみのツナが立っていた。
「酷いね、彩美…居留守なんて…」
……どっちがだ…!
…なんて思っても言える訳もなく…。
頭が痛いこんな時に来るなんて…
ツナは、私をからかうのが好きみたいで、よく意地悪な事を言う。
風邪ひいたことを知ったら、きっと馬鹿にするだろう…
「…あれ、彩美なんか顔赤くない…?」
『…べっ…別にそんなこと…っ!!』
「…やっぱり、熱っぽい…ちゃんとご飯食べた?薬は飲んだ?しっかり寝てなきゃダメだろ!」
額に手をあて、さらに至近距離で見つめるツナにドキッとした。
…えっ?もしかして、心配してる…?
いつもの意地悪な口調と違って、心配そうに尋ねてくる。
『…えっと…』
「どうせ彩美のことだから、面倒臭がってご飯食べてないんだろ…」
『うっ……ってツナ!何、勝手に入らないで…!』
私の言葉を無視し、ツナは家に入っていった。
「…お粥」
『へ…?』
「ご飯食べてないんだろ?…お粥、作ってやるから、寝てろよ!」
顔を真っ赤にしながら、ツナはそう言うと、台所に行ってしまった。
ツナ…………もしかして、…頭でも打ったのかな?
なんて考えていると、急に頭痛が酷くなり、布団に潜りこみ寝てしまった…。
――――――――
――――――
―――…
―んっ…冷たくて凄く気持ちいい…
まだ覚醒しない頭で、ぼんやり目を開けると、脇に誰かが座っているのが見えた。
『んー…お母さん…?』
「…誰がお母さんだよ」
『…!!ツナ!?』
ガバッと起きると、脇には腕を組んで座るツナがいた。
「あ、ばか!急に起き上がると」
『…っ、いったぁ…』
ツナが脇にいたことに驚き、起き上がろうとしたが、酷い頭痛に倒れた…と思いきやツナによって抱き留められた。
「…ったく、危なっかしいな…」
今の体勢のせいで、ツナの声が耳元から聞こえてくる。
それだけなのに、私の心臓の音が凄くうるさくて…
ツナに気付かれてしまいそう…
…………って、何で私こんなにツナを意識してるの…!
そんな事を頭でぐるぐる考えていると、ツナによって意識が戻された。
「彩美、…お前って…」
『ツナ…?』
「…………いや、なんでもない」
『??』
「…それより、お粥温めてくるから、大人しく寝てろよ」
ツナは何かを言いかけておきながら、布団に私をきちんと寝かせ、足早に部屋から出ていってしまった。
……変なの、ツナどうしたんだろ…?
………
…それにしても、ツナって見かけによらず、結構…筋肉あるんだな…
それにさっき助けてくれたとき、…少し格好よかったな…
……………って!また何考えてるんだ、自分!
『ツナはいつも意地悪で、黒くて…いや、まっ黒くて、大魔王じゃないか!』
「へぇ…随分言いたい放題だね、彩美?」
『ツツツツ…ツナ!?いっい、いつから…?』
いつの間に戻ってきたのか、ツナはお粥を手に立っていた。
「クス、彩美…動揺しすぎ。それに顔真っ赤だけど、大丈夫?」
『だ、大丈夫…!』
「ふぅん…まぁいいや。お粥温めてきたから、冷めないうちに食べちゃえよ」
『うん!ありがとう、ツナ!』
そう言うと、ツナは驚いたまま固まってしまった。
『…ツナ?』
「…彩美、俺が食べさせてあげるよ」
………What?
ようやく口を開いたかと思うと、ツナのいきなりの意外な言葉に驚いた。
そんな私をまったく気にせずに、ツナはレンゲを持つ。
あっという間の出来事で、何も出来ずにいる私だった。
「フー、フー…はい、彩美、あーん…」
『あーん…ん、美味しい』
「そ?よかった」
『……って、私…一人で食べれるよ…!』
そう言い、ツナからレンゲを取ろうとしたが…、いとも簡単にかわされた。
「彩美は病人なんだから、大人しくしてろよ」
『嫌だ…よ、…恥ずかしい…!』
「…もしかして、照れてるの?彩美も可愛いところあるんだね」
ツナはそう言い、面白そうに笑う。
言い返したいが、熱のせいで更に頭が痛くなり、何も言えなかった。…かわりツナを睨みつけた。
「…ごめんごめん。彩美。俺が悪かったよ。」
そしてツナは優しく頭を撫でた。
『ツナ…?』
「彩美……お粥、さめちゃうから、全部食べさせてあげる…」
『…っ!』
ツナの優しい笑顔に私は思わず見惚れてしまった。
「フー、フー…はい、彩美」
『ん…』
結局、ツナにお粥を全部食べさせて貰った。
『……(結構美味しかったな…)』
「彩美、これ風邪薬だから。これ飲んでゆっくり寝てろよ。皿片付けてくるから」
『う、うん…ありがとう、ツナ』
水と風邪薬を渡し、ツナは部屋から出ていった。
ツナに渡された風邪薬を飲むと、熱のせいもあり一気に眠くなって、いつの間にか寝ていた。
―――――――
―――――
―――…
『…んっ…』
額に感じた冷たい感触に目が覚めた。
「あ、彩美起きちゃった?」
『ツナ…?』
いつの間にかツナが居て、私の額には濡れた冷たいタオルがのっていた。
そして枕元にある棚には、氷と水の入った桶(おけ)が置いてある。
「彩美、調子はどう?あ、これ水な。水分とらなきゃな」
『ありがとう…、大分楽になったよ』
ツナに渡された水を飲み答える。
風邪薬が効いたようで、大分楽になった。
「結構汗かいたな。着替え持ってくるよ」
『ありがとう、ツナ』
何気ない気遣いが嬉しくて素直に笑顔を向けた。
「……ごめん、彩美…」
『へ?…あっ…!』
いきなり腕を掴まれたかとうと、そのまま押し倒された。
見上げればツナがいて…
『…ツナ?え?あの…どうしたの?』
「はぁ、俺も修行不足かな…でも、無意識に誘う彩美も悪いよね…?」
『ちょ、ちょっと待って、ツナ!私、病人だよ…?』
「わかってるって。病人だから、あんまり激しくしないから大丈夫だよ。」
いや…大丈夫じゃない…!
ツナは私を組み敷き、ニコニコ笑っている。
そして、ツナはゆっくり私の着ている服のボタンを外し始めた。
『ちょっ…ツナ!あ…!風邪!風邪うつるよ!?』
「クス…彩美の風邪、俺にうつせば治るかもね…」
チュッ…
『…!!』
「彩美…俺が彩美の風邪、治してあげる…」
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