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捧げ夢
『気付かなかった気持ち・中編』【初代・切→甘裏】☆11111Hit☆伊織様に捧げます!


『…ん…』


気がつくと、辺りは真っ暗で何も見えない。


そして両手は、後ろに縛られ、両足も鎖で繋がれていて、逃げられない。


ギィ…という音と共に扉が開き、ライトがついた。


明かりがついたことで、回りがはっきり見えた。


どうやら、どこかの工事の物置のような所のようだ。


「やっと起きたようね…気分はどう…?伊織…さん…?」


『………』


カナーザは、手に持っていたナイフを、伊織の首に突き付けた。


『…っ!やめっ』


「あら…動いたら、綺麗な首、真っ赤に切っちゃうわよ…?クスクス…」


嫌な笑顔を向けてくるカナーザ。


『…私を殺さないの』


「…殺したいくらいあんたを憎んでいるわ…でもただ殺して終わるなんて楽なことしない…


あんたには、死ぬよりも辛い目に合ってもらわないと、私の気が済まないのよ!」


『やっ…!』


カナーザは、ナイフで伊織の服をビリビリに破いた。


伊織は服を激しく破かれ、ほとんど何も纏っていないと同じような格好にされた。


「…この身体を使って、ジョット様にどんなふうに、気に入られたのか…見せてもらおうかしら


入ってきなさい」


カナーザの合図と同時に、何人もの男たちが中に入ってきた。


皆、いやらしい目で伊織を見る。


「あなた達、この女…好きにしていいわよ…」


カナーザは男たちにそう言い、下品な笑顔で眺める。

荒い息を吐き興奮しながら、男たちは伊織に近付き、破れた服に手をかけてくる。


『いやぁぁあ ー』




「私の伊織に何をするつもりだ」


鍵がかかっていた硬いドアが破壊された、激しい音が響く。


目の前に群がっていた男たちは、いつの間にか全員倒れていた。


そしてジョットがそこには立っていた。


『…ジョット…?』


「伊織すまない、遅くなって…」


必死に走ってきたのだろう…息が乱れている…。


そんな彼から普段の余裕は全く感じられなかった。


ジョットはすぐに、大空の炎を纏ったグローブで、拘束していた鎖を外してくれた。

そして上着を脱ぎ、かけてくれた。


『…っ、ジョットっ…!』

「伊織、もう大丈夫だ…私が来たからには、伊織には、指一本触れさせない」


恐くて…恐くて…、ジョットに抱き着いた。


ジョットはそんな私を、優しく抱きしめ返してくれる。


(…暖かい…それに凄く、安心する…)



「なっ…!どうしてここが…!」


「伊織の服には、あらかじめ発信機をつけておいた…もしもの為にな…

それと、ボンゴレを乗っ取るつもりだというのも分かっている」


「な…何を根拠に!」


「証拠ならここにあるさ…
それと、ここ最近、ディザイアが行ってきた密売や闇取引などの証拠もな…」


「くっ…!ボンゴレのボスともあろうお方が、脅しですか…?」


「私の大事な伊織を傷付けたこと、後悔するといい」


ジョットは私の肩を強く抱きながら、カナーザを殺気を込めて睨み付けた。



「…ジョット様は私よりその女を選ぶのね…

もういいわ…二人仲良くあの世に送ってあげる…!」


カナーザの合図と共に、ディザイアの連中がぞろぞろと入ってきた。



「…さすがのボンゴレのボスも、この人数じゃ袋のネズミね…

それに、その女を庇いながら戦えるかしら…アハハハ…!」


カナーザは狂ったように笑い、部下たちに二人を殺せと命令した。


「一人で来るなんて馬鹿なのね…ボンゴレのボスも…」




「わりーな、一人じゃないのな!」


「プリーモを馬鹿呼ばわりしやがって…!覚悟は出来てるんだろうな!」


「伊織に手を出したこと…たっぷりと後悔させて差し上げますよ…」


「伊織さんに酷い事する連中は許しません…!」


「か弱い女一人に寄ってたかって、許せん!その根性叩き直してやる!」


「伊織に手を出した罰は、きっちり受けてもらうよ」



『…!みんな…!』



颯爽と現れた守護者達は、そう言い終わると、私とジョットを背に敵と対峙した。


「プリーモ!先に伊織と屋敷にお戻り下さい!
コイツらの後始末はお任せください…!車は外に用意してあります!」


「ありがとう、嵐。伊織、私にしっかり掴まれ」


『わっ…!』


ジョットは私を軽々と抱き上げ、そのまま車へと歩きだす。

(…お姫様だっこ…!)


恥ずかしかったが、これ以上、迷惑をかける訳にも、いかないので、大人しくしていた。


車に着くと、助手席に優しく降ろしてくれた。


そしてジョットの運転で、屋敷へと戻った。


―――――


屋敷に着くとジョットに支えられたまま、彼の部屋に行き、シャワー室を借りた。


『…私…ジョット様のこと…好きなんだ…』


シャワー室で静かに呟いた。

やっと気付いた自分の本当の気持ち…。



この気持ちは、もう自分じゃ抑えられないくらいで…。


今も彼のことが、頭から離れられない…


彼の温もりが恋しい…


(「私には本当に愛しているやつが、いるからな…」)


『……彼には大事な方いるのに…』


恋をすることって、こんなに辛いものなの…?


叶わない恋だから、…


彼には幸せになって欲しい…愛する方と一緒に…


だから私は…。


―――――…


「伊織…大丈夫か…?」


シャワーを浴び終えて、部屋に戻るとすぐに、ジョットが心配そうに尋ねてくる。


『はい…心配かけてしまい、すみませんでした』


「いや、いいんだ、伊織が無事で本当に良かった…」


そして彼は優しく抱きしめてくれる。


…やっぱり落ち着く…


彼の温もりは、不思議と私を落ち着かせた。


でも…このままじゃ、駄目なんだよ…。


『ジョット、大事な話しがあるの…』


「…伊織?」


名残惜しかったが、彼に離してもらうように促す。



『私…ここを辞めます』


「…!?伊織?…冗談だろう…?」


『…冗談じゃありません…もう…、決めたんです』


彼の顔を見ないようにして話す。



「伊織…、今回のことは、私が悪い…。

こんな事を頼んで…巻き込んでしまって…本当にすまなかったと思って…

『違うんです!…今回のこととは全く関係ないです』


(…違う、私がここを辞めたい理由はそんなんじゃない…)


「じゃあなぜなんだ…!理由を教えてくれ!」


必死に聞いてくる彼に、気持ちが溢れそうになる。



『…っ、好きなんです…!ジョットのことが…どうしようもないくらいに…!』

「……!」


『だから…私はここを辞めます…今まで…お世話になりました…さよな…!?』

途中でキスをされ、言葉を遮られた。


『やっ…!やめてっ、離して…!!』


彼の胸を強く押し、キスを止めさせる。


彼の行動の意味がわからない…


『ジョットは愛してる人がいるんでしょう!?
なのにどうしてキスなんてっ…!』


「…私が愛しているのは伊織だよ」


『…!え…?』


彼を見ると真っ赤な顔をして私を見ている。


「伊織…いつも一生懸命な君が、好きなんだ、いや愛しているだ」


『う…そ』


「嘘なんかじゃない。

それに、こんな婚約者のフリなんて危険な役、本当はやらせたくなかった…

だが、それでも伊織と一緒にいる時間が増えると思ったら…」


顔を真っ赤にしたまま、全てを話す彼。

そんな彼も愛おしく思う。

「伊織、危険な目に合わせてしまって、すまなかった…伊織…お願いだ、辞めないでほしい」


『ジョット…私も愛してます…
これからも、あなたの傍に居ていいですか…?』


「…!もちろんだ!伊織!」


ジョットはそう言うと、嬉しそうに笑い、ぎゅっと抱き着いてきた。


『…っ、痛っ…!』


「…伊織?」


抱き着かれると、肩の辺りが痛んだ。


「切れているな…カナーザにやられたのか…」


カナーザさんに服を切られたときに、切ったのだろう…。

ジョットは辛そうな顔で見つめる。


『はい…でもこんな傷、たいした事ないですよ!
だから、気にしないで下さい!』

「伊織…」


『…ジョット?ひゃ…あっ!』


名前を呼ばれたかと思うと、いきなりジョットに傷を舐められた。


『なっ…、ジョット!何して…あっ…!』

「伊織、私が消毒してやろう…」

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