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捧げ夢
『気付かなかった気持ち・前編』【初代・切→甘裏】☆11111Hit☆伊織様に捧げます!

「私の婚約者になってくれ、伊織」



『………………は?』



それは、暖かいよく晴れた日のボンゴレ本部でのこと

私、伊織は、ここでメイドとして働いている。

ボンゴレファミリーのボスである彼に、呼ばれたかと思うと、いきなりのプロポーズ。


『あの…ジョット様…悪い冗談はやめてください』


「冗談ではない!

伊織…私はこのままでは、ディザイアファミリーのボスの娘と、婚約することになるんだ!」


そんなことは、絶対に無理だ!と言う彼。



ディザイアファミリーとは、ボンゴレの同盟ファミリーの中でも、一、二位を争うほどの巨大なファミリーである。



しかし最近では、密売や闇取引などの噂が流れているが…。


『…要するに、婚約者のフリをすればいいんですね』

「…まぁ、そういうことだな…」


『ちゃんと断ればいいじゃないですか!』


「断ったさ…だが、ディザイアのボスは、しつこくてな…」


『それで、婚約者がいると嘘ついたんですか…』


「ああ…それに、私には本気でに愛しているやつが、いるからな…」


ズキッ…


幸せそうに話す、ジョット様に何故か胸が痛む。


『……(風邪かな…?)』


私はまだ気付いていなかった…私のこの気持ちを…


「伊織、二週間だけでいいんだ!頼む!」


『はぁ…わかりました…』

「ありがとう…、伊織」


ふわりと優しく微笑まれてしまうと、何も言えなくなってしまう。



こうして、私は二週間、ジョット様の婚約者の役を演じることになった。



二週間というのは、ディザイアのボスの娘が、ボンゴレの屋敷に滞在する期間のようだ。



話によると、自分の娘を二週間、ボンゴレの屋敷に泊まらせ、どちらが婚約者に相応しいかを、判定させるということらしい…。



ジョット様はいつも、いきなり、とんでもない事を言い出す。



『(…彼の頼みには弱いんだよね…)』



それがどうしてなのか、疑問を抱く伊織であった。




――…まだ私は、彼に対するこの気持ちが何なのか、分からなかった…。



――――――

その頃、ディザイアファミリー本部では…

ガシャン…パリーン


「……許せない…この私を差し置いて、ジョット様と婚約するなんて…絶対に許さない…」


「カナーザ、落ち着きなさい」


「…っ、だってパパ…!」

「大丈夫だよ、手は打ってある。

明日から二週間ボンゴレの屋敷に泊まるんだ…彼の婚約者と共に、な…」


「…!わかったわ、パパ…私、ばれないように上手くやるわ…

その女、ズタボロに傷付けて消してあげる…!」




――――――
――――
――…


その翌日


「始めまして、ボンゴレの幹部の皆さん。私、カナーザっていいます。今日から二週間よろしくお願いします」


翌日、ディザイアのボスの娘がボンゴレ屋敷にやってきた。


まぁ、約束をしたのだから仕方がないが、はっきり言うと嫌なことこの上ない。


鼻につく強い香水をつけたカナーザに、守護者はうんざりした様子だ。


だが気を抜いてはいられない。


伊織には手を出させない為に、カナーザを見張るよう、昨夜、守護者達全員に伝えた。


ディザイアのやり方は、自分達の邪魔になるものは、どんな手を使っても消そうとする。


伊織には手を出させてたまるものか…


そんなことを考えていると、カナーザは伊織の側に近付く。


「…貴女が、伊織さん…?」


そう言いながら、カナーザは、伊織を見た。


『…!はい、始めまして、伊織で…す』


「…そう、貴女がジョット様の…よろしくね、伊織…さん」


カナーザは笑顔で、伊織のほうに手を差し出した。


「「「「「…!」」」」」


「待ちなよ、伊織に気安く触らないでくれる?」


雲は伊織を自分のほうに引っ張った。


『…雲』



「…そんなに睨まないで下さい…私はただ伊織さんと仲良くしたいだけですわ…!」



「なっ…!誰がそんな事、信…『待って、嵐!
カナーザさん、こちらこそよろしくお願いします』



「嬉しい!伊織さん、早速だけど、屋敷案内してくれないかしら…ゆっくり話しながら…」



『はい、じゃあ一緒に「クフフ、伊織は忙しいので、変わりに僕がご案内致します」



『霧!』



「それでは参りましょうか、カナーザ様…
失礼します、プリーモ」


霧はそう言い、カナーザさんを案内する。


「頼んだぞ、霧…

それと、伊織、話しがある…一緒に執務室に来てほしい」


『…はい』


ジョットに呼ばれ、素直に彼に着いていく。


執務室に行く間、何も話さない彼。



(…なんか怒ってるのかな…?)




―――――


パタンとドアが閉まると、ジョットは真剣な表情で見つめてくる。


その視線を逸らすことが出来ない…心臓がなぜか凄くうるさい…。



「…伊織、カナーザには気を付けるんだぞ」


『え…どうしてですか?』

「はぁ…どうしてって…
伊織、彼女が誰だか忘れたのか…?」


『忘れてなんかないです!…でも彼女は悪い人には見えない…』






「…伊織、
本当に悪い奴ほど、そうは見えないんだぞ…」


『…ジョット?』



しばらくの沈黙の後、呟くように言う彼。



彼は下を向いていた為、顔は見えなかった。



「…伊織、それともうひとつ…」


『え…?なっ…な、な、ななっ!?』



ぐいっと腕を引っ張られ、彼の胸にダイブする。



「…耳まで真っ赤にしちゃって、可愛いな、伊織は…」


『…っ!!離してください!』


「やだ」


(…やだって…)



そしてさらに、ぎゅうっと抱きしめられた。


『ジョット様!』



「…伊織は今、私の婚約者なのだろう…」


『それは、婚約者のふりでしょう…!』


(…!えっ…?)


「………そう、だな…」


ジョットは、そう言うと開放してくれた。



その時の彼は、酷く傷付いたような顔をしていた。


すまない、と言い頭をくしゃりと撫でられる。



『…ジョット…様…?』


「…様はつけなくていい…

じゃあ、せめて…この二週間だけは、ずっと傍にいてくれないか…」


辛そうに笑うジョット。


(…そんな顔で頼まれたら、断れないよ…)


『…わかりました』


「ありがとう、伊織…」


そして二人で、執務室から出て、皆がいる所へ戻った。


その間の時間は、妙に長く感じられた。


(……なんだろう、凄く胸が締め付けられるように、痛い…

この気持ち、分からないよ…)


―――――


それから、ジョットが任務で出かける以外の時間は、彼の傍で過ごした。



そして今も…


「伊織、珍しい菓子を買ってきた。一緒に食べよう」


『…はい』


今、彼の部屋で二人で、お茶をしている。


…別に彼と過ごす時間が嫌な訳ではない。


どちらかというと、楽しい…うん、凄く楽しい…、でも、それと同時に凄く苦しく感じるのはどうしてだろう…



「伊織、おいで…」

『……』


彼に呼ばれ、ゆっくりと側まで行くと、彼は伊織を膝の上に座らせた。


二人でいる間、彼は凄く甘えてくる…。



「伊織…」


甘えるように名前を呼び、抱きしめられた。


『ジョット…』



(「私には本気でに愛しているやつが、いるからな…」)



以前、彼が言っていた言葉が頭をよぎる。


…ズキッ


『……っ』

ぎゅっと胸が締め付けられるような、そんな感じがした。



「…伊織?どうかしたのか…?」


彼はそう言い、心配そうに顔を覗いてくる。


『…っ、大丈夫…です』



「そうか…?あまり無茶はするなよ」


『はい』


ジョットはそう言うと、任務がある、と出掛けた。




(…私、もしかして、ジョットのこと…いや、まさか…ね)


ジョットが任務で出掛けたので、とりあえず掃除でもして気を紛らそうとしていた。



今日は雷以外は、皆任務ででかけている。



廊下を掃いていると後ろからカナーザさんに話しかけられた。

「伊織さん…」



『…!カナーザさん?どうかしたんですか…?』


いきなり後ろから現れたカナーザに驚いた。



「伊織さんに、ぜひ見せたいものがあるの!

私のお屋敷に、今から来てくれないかしら…?」


『えっと…』


(「伊織…、カナーザには気をつけるんだぞ…」)


ジョット…


『それじゃ、今日は雷が非番だから一緒に…っ!?』

ドサッ


「…あんた一人で来てもらわないと意味ないのよ…

早くこの女を連れていけ」

後ろから誰かに、頭を強く殴られ、伊織は気を失った。


そしてそのまま車に乗せられて、どこかに運ばれた…。

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