捧げ夢
スイート バレンタイン【雲雀・甘夢】☆2000Hit ちひろ様に捧げます!
―最近、僕の彼女であるちひろの様子がおかしい…。
今日の放課後も…
『ごめん!恭弥!今日、急に用事ができちゃったの!だから、早く帰るね!』
そう言って謝るのは僕の彼女であるちひろ。
「急な用事って、それ何度目?ここ2週間ずっとだよね…ちひろ、僕に何か隠してるでしょ?」
『ななっ…な…なに言ってるのよ、恭弥!私が恭弥にか…隠し事なんて…す…するわけ…な…な、ないじゃない!』
そう言い、明らかに動揺するちひろ。
…動揺し過ぎでしょ…一体、僕に何を隠しているのだろうか…
『じゃ、じゃあ、もう時間がないから、行くね!また明日ね、恭弥!』
ちひろはそう言うと、走って応接室から出ていった。
その日の夕方、僕はいつものように、群れている草食動物を咬み殺す為に、商店街を歩いていた。
「…!ちひろ…?」
そこには急用ができたと帰ったはずのちひろの姿があった。
しかもちひろの隣には、同年代の男がいた…。
二人は楽しそうに話している。
僕は堪えられずその場から立ち去った。
その翌日、ちひろは、いつものように応接室に来た。
『恭弥!今日は何の日か知ってる?…恭弥?どうかしたの…?』
明るく問い掛けてくるちひろ。
ちひろの、その声さえも僕を苛立たせる。
「…僕は忙しいんだ。用がないんだったら、出ていってくれない」
…苛立ちが止まらない…
『恭弥…?なんで怒ってるの?』
「…別に」
ちひろは全くわからないといった様子で僕を見てくる。
『…そうだ!今日は恭弥にプレゼントがあるの!』
「…プレゼント?僕じゃなくて、昨日の彼にでも、あげればいいんじゃないの」
『え…?』
だめだ…苛立ちが止まらない
『恭弥…なんで知ってるの…?』
「昨日偶然、ちひろが男と、歩いているところを、見かけてね…まさかちひろが、僕に隠し事をするなんてね…」
『違うの、恭弥!彼は…!』
「…言い訳なんて聞きたくないよ…ちひろの顔も見たくな…!」
ぎゅっと、抱きしめてくる、ちひろ。手が震えている。きっと泣いているのであろう…
『…ひっく…恭弥っ…そんなこと言わないで…
お願い…私の話…聞いて』
泣きながら、必死に途切れ途切れに話すちひろに、僕は何も言えずに、ただ黙って聞いていた。
ちひろを抱きしめてあげたい、と思いながらも、動けずにいた。
『…ひっく…今日…は…バレンタインだから…恭弥に手づくりの…チョコを…あげようと思って…
従兄弟(いとこ)に作り方…教えて貰ってたの…
昨日はチョコの材料の買い出しに付き合って…もらっただけなの…』
「…従兄弟?」
僕が聞くと泣きながら、首を縦に振る。
…どうやら僕は勘違いをしていたようだ…。
ギュウッ
『…!!』
泣いて下を向いていたちひろを抱きしめた。
「ごめん…ちひろ…僕は勘違いして…」
『恭弥…ねぇ、私のバック開けてみて?』
お願い…と頼んでくるちひろ。
僕はちひろの言う通り、バックを開けた。
そこには綺麗にラッピングされた小さな箱があった。
『…それ、恭弥に…チョコ…貰って…くれる…?』
「…当たり前じゃないか…ちひろからの物だったら何でも貰うよ…」
そう言うと顔を赤くして、嬉しそうに笑うちひろ。
ちひろを疑うなんて、僕は馬鹿だね…
『恭弥…その…恭弥は他の女の子から、チョコ貰ったの?』
「ちひろ以外からのチョコなんて、いらないよ
ねぇ、ちひろ、せっかくのバレンタインなんだから、口移しで食べさせてよ」
『なっ…何言ってるの!恭弥…っ』
「…いや…なの?」
『…っ!き…今日だけ…だからね…!』
「クスッ、大好きだよ、ちひろ」
終わり!
《ちひろ様へ》
切り番2000を踏んで頂きありがとうございます!
リクエストが雲雀さん夢ということで、書かせて頂きました!
バレンタインのお話にしました。楽しんで頂けたら幸いです
遅くなってしまい、スミマセンでした; ヒロ
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