Beautiful Blood
【7】彼の眼差し
しばらく無言で、美優を抱きしめていた。
美優の体温、香り、温もり、全てが愛おしい。
「美優…」
ぐうぅぅぅ…
『「…………」』
静かな部屋に響く、美優のお腹の音。
美優を見ると、恥ずかしそうに、顔を赤くし、下をむく。
もう少し、美優を抱きしめていたかったが、ゆっくりと解放した。
「クスッ、美優、お腹すいたんだね…?俺が朝食を作るよ、おいで…」
そう言い、美優の手を引き、リビングに向かう。
美優は下を向いていたが、大人しく付いてくる。
可愛いな…本当に
――――
「朝食、俺が作ってくるから、ここで座って待ってて…」
リビングに着くと、綱吉は美優を椅子に座るよう促す。
どうしていいのか分からず、ただ椅子に座って待っていた。
座っている椅子からは、キッチンが見えるようになっている。
「美優は、何が食べたい…?」
『…なんでもいいです』
「ふーん…じゃあ、お任せってことで作るよ」
そう言うと、綱吉はフライパンに油をひき、料理を始めた。
腕をまくり、器用な手つきで、着々と料理を作っていく彼。
カッコイイ…
真剣な目で料理をする彼を見て、思わず見惚れてしまいそうになる。
(彼はいきなり襲ってきたのよ、身体が目的なだけ…)
自分に何度もそう言い聞かせる。
しかし、彼の眼差しが、どこまでも優しくて、まっすぐで…本当に彼に愛されているのではないかと思ってしまう。
(わからないよ…彼は一体何を考えているの…)
「…美優?大丈夫?顔色悪いけど…」
『…!大丈夫…です』
考えていると、いきなり声をかけられ驚いた。
「そう…何かあったら言っていいからね」
心配そうに尋ねてくる彼に、ますます考えてしまう。
「そうだ、料理出来たよ。
沢山作り過ぎちゃったかな?」
目の前には、和・洋・中、沢山の料理が並べられていた。
(…こんなに食べられないよ)
「…美優、ちゃんと食べなきゃ駄目だよ…それとも…俺に食べさせて欲しい?」
『いただき…ます』
「うん、召し上がれ…」
『…!』
優しくにっこり微笑まれ、ドキッっとする。
『…!美味しい』
「よかった、美優の口にあって…」
優しい眼差しで見つめてくる綱吉。
恥ずかしくて、ごまかすように、彼が作ってくれた料理を夢中で食べる。
食べている間もずっと、綱吉は私を、見つめていて…
チラッと彼を見ると、目が合い、また笑いかけられる。
優しくて、どこまでも、まっすぐな眼差しに心臓が高鳴る。
『…っ、あっ…!』
動揺し、持っていたグラスをこぼしてしまった。
服にもかかり、びしょびしょに濡れてしまった。
「美優、濡れちゃったね…」
後ずさる美優の腕を掴んだ。
「一緒にお風呂入ろうっか…美優」
『え…?きゃっ…!』
美優を抱き上げて、シャワールームへと向かった。
パタン…
To be continued…
(次回は裏…!)
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