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いまからきみに告白します


目線の先にはいつもあなたがいる。いつからだろう、あのひとをよくみかけるのは、すきだから。すきだから、目で追ってしまうから。
抜け出せない、
パラドックス。



いつからだろう。
いつもかならずおまえが目線の先にいる。そこにいるのか、それとも、自ら目で追っているのだろうか?



太陽が燦々と輝いていると表現していいのは今日みたいな日なんだろう。あ、マルコさんだ、今日も子供みたいに笑ってる。いつも渋くて真剣で、でも不敵で余裕を漂わせてるマルコさんに、こんな笑顔があるなんて、きっと誰も想わない。

「名無し、お前さ、」

あ、マルコさん、おとうさんに呼ばれてる。とたんにさっきのあどけない笑顔が、心許した穏やかな表情に変わってる


「おい、名無し」

「あ、サッチどうした?」


「…名無し、お前、
いつマルコに告白するの?」


「…………え?」



あ、名無しだ、白いノースリーブのワンピース。…よく似合ってる。…おい、あんなに荷物持って危ないぞ、持ってやりにいこうか。あ、…サッチか。…まあ、 サッチがいれば大丈夫だろうよい。

「マルコ」

「ん?…あ、エースか。どうしたよい?」

「……自分で気づくまで、教えてやらねぇよ」


「…………え?」





「サッチ、昼間言ったこと、どういうこと?その、ま、ま、マルコさんに…」

「まあ落ち着けよ」

「マルコさんには、私の気持ち言ってないよね?」

「そりゃあな、
そりゃ言ってねぇよ」

「よかった」

「………」

「なに?サッ「お前さ、」」

「ん?」

「それでいいわけ?」

「……!!な、なにが」

「マルコのこと、それでいいわけ?」

「それってなに「だから、」」

「自分の気持ち、伝えなくていいわけ?」





考えたことなんてなかった。
この気持ちを、伝える、なんて。
いや、考えたくなかった。
伝えて、受けとってもらえなかったら、私は、




「こわいんだろ?、マルコ」

「なにが?」

「自分の気持ちに気づくのが」

「どうせ、この歳で、とか思ってんじゃねぇのかよ?」

「だからなんのことだよい?」





「……名無しのこと」




「じゃあ、お前それでいいわけ?」

「なんなのよサッチ、ひとの片想いに口出ししないでよ」

「……じゃあ、あんな切なそうにマルコのことばっかり見てんじゃねぇよ」

「!!」

「こっちまで切なくなるっての…」

彼は私と反対側に顔を向けてしまったから、彼がどんな気持ちでその言葉を発してくれたのかは、分からなかった。


「気づきたくないだけのくせに」

「エースには関係無いだろい」

「…おおありだっての」


「名無しは俺の、
大切な、
大切な、
可愛い部下、なの」

「幸せになってほしいんだよ」

「あんな切なげにお前のこと見つめて」

「お前は気付いてて知らん顔かよ」





「…マルコ、気付いてたか?」

「…なにを?」





「お前も、あいつと同じ眼をしてるってこと」



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