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告白

今日が雪でよかった。空を見
上げながら俺は思った。こん
な日にじとじとと雨に降られ
ちゃたまったもんじゃねぇか
らな。


「あ、エース」
部屋の扉の横で、腕を組んで壁
にもたれかけていると、部屋の
主が顔を出した。


「どうしたの?」


…いや、
今日の主役を待ってた。


それはそれは、
お待たせしてごめん。


…行こうか。
…ん。


ランプの橙色の灯火が薄暗い
廊下をゆらゆらと照らす。


「エース」


暖かな船内から、冷たい甲板
にでると、彼女は嬉しそうに
俺の名を呼んだ。


「ありがとう」


…礼にはおよばねぇよ。照れ隠
しに橙色のテンガロンを深々と
被る。




深夜0時。

あちこちに飛ぶ蛍火に照らさ
れる、橙色の牡丹雪が、
真っ黒な夜の中に、
幻想的に揺らぐ。


お前が
生まれてきたことに、
俺は感謝してるんだ。

Fin.



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