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「エースー!ゴハンですよー!今日はサッチ特製牛頬肉とエンドウ豆の野菜たっぷりカレーだってさ!」


「なんだよその呼び方。んな風に言われなくったって分かるっつーの」


「はいはい。いっつも寝てて食べ損ねるくせに。隣の席、いい?」


「ああ。どうぞ」


「ありがと」



「あ、エースこれ読む?マルコから借りてたんだけどさ」


「ん…?ああ、俺はいいや。小説はあんま好きじゃねえし」


「そう?
あ、あとこれ、今朝の新聞に挟まってたんだけど。もしかして知り合い?」


「あ?…あああ!ルフィじゃねえか!これ、俺の弟なんだ。3000万…。そうか、あいつもとうとう海に出たんだな」


「へえ!いつも言ってる弟くんってこんな顔してるんだ…。海に出たこと、知らなかったの?」


「ああ。俺は17ん時島を出たからな。こいつとはそれから一度も会ってねえ」


「へえ。…よっぽど大切な弟さんなのね」


「?」


「顔がにやけてる」


「あ、やっぱり?」


「うん。頬も緩みっぱなし」


「…あー、うん、だろうな。俺にとってはたったひとりの弟だから。かわいーんだ、こいつは。ちいせえ時はびいびい泣いてよォ」


「ははは、また始まった、エースの弟自慢」


「おい、エース早く傘下関連の報告書だせよい。あとお前だけなんだから」


「あ、マルコ」


「おっ!マルコ!これ見ろよ、これ!」


「なんだよい?只の手配書…おい、エース!エース!!ったくコイツの頭の構造がどうなってんのか一度でいいから見てみたいねい」


「ははは、ま、いつものことじゃん、マルコ。エースの頭の中か…。ふふ、弟くんの事でいっぱいなんだろうな。あ、マルコ。そういえば借りてた小説読み終わった。はい、ありがとね。」


「ああ、どういたしまして。…ジキルとハイドか。どうだった?」


「面白かったよ!話の内容も斬新だし、最後の展開も読めなくて!エースも小説読めばいいのにね。さっき勧めたんだけど。『ポーネグリフの謎に迫る』とか『古代世界史概論』とか禁書ばっかり手出して。いっつも『俺は史実の方が好きなんだ』とか言って読もうとしないんだから」


「はは、何でもいいから本読む前に報告書出してほしいよい。まあいつもの事だが…ん?コイツ…」


「まあまあ、報告書は私が責任持って出しとくからさ。
あ、これ、例の弟らしいよ。ふふっ、この子も太陽みたいに笑う子なんだね。おんなじ黒髪だし。天真爛漫そうなとこはエースそっくりだねえ」


「ん…?おれがなんだって…?あ!あああ!これ、ルフィじゃねえか!!おい、マルコ! name!コイツがおれの、」


「弟でしょ?もう聞き飽きたよ」


「え?おれなんか言ったっけ?」


「俺に手配書見せて自慢しはじめたろい。ったくエースお前、昨日の宴でだいぶ飲んだろ?二番隊の奴らが『もう飲めません、隊長…』つってぼやいてたよい。お前も相当寝ぼけてんなァ」


「そうか…?おれは至って真面目なんだが」


「で、コイツがどうしたんだい?」


「あのなあ!知ってると思うけどコイツはルフィていってだな…って、あ!マルコ!その小説おれ読みたくてずっと探してたんだ。それ借りてもいいか?」









ジキルハイド









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▼2010623
A.エースの突発的睡眠
Q.俺≠おれ



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