コーヒーとミルク、割合は2:8なんて甘すぎる



「ガイラルディア、コーヒー」
「私にもください」
陛下の私室で見張りという意味も込めて今日はジェイドと陛下が一緒に仕事をしているわけで。
息抜きも必要ですよ、とそう声を掛ければ、「あんまり甘やかさないで下さいよ」というジェイドの苦笑の後に陛下がコーヒーを強請った。
(さっき甘やかすなって言ったジェイドも頼むなんてどういうことだか)

「コーヒー出来ましたよ」
御盆ごと、机の上へと載せる。ミルクと砂糖どうしますか、と聞けば「多めで」と返される。
(35、6の大人が二人揃って甘党だなんて、誰が信じるだろうか)
「陛下はともかく、ジェイドが甘党だなんてちょっと意外だな」
「おや、そうですか」
「そりゃそうだよな、お前が甘党とか最初なんのジョークかと思ったもんだ」
そういって笑う陛下にジェイドは何時の間に出したのか、デッキブラシで陛下の額を突く。
こちらだって貴方が甘党だと聞いて虫唾が走りました、なんて軽く笑うもんだからむしろこちらが怖いぐらいで。
「俺が甘党っておちゃめで可愛いじゃないか!」
「誰が可愛いんですか、気色悪いだけでしょう」
ね、ガイ。
ハートマークが付きそうなぐらいに可愛らしく笑い掛けられたって自分は断じて嬉しくなどない。というより話題を振らないで欲しい。
逃れたくて、最後の一杯の砂糖をコーヒーに入れて掻き混ぜる。
「はい、出来ましたよ」
出来た其れを2人の隣へと置く。ああ、ありがとうございます。ありがとう。2人にお礼を言われてどういたしましてと返す。
「ん、うまい!」
「美味しいです、ガイ」
「そうかい」
そういってもうひとつ残ってた自分の分を啜る。
明らかに二人のとは色の違うそれを見て、苦笑を零す。

(あれ、もはや珈琲牛乳じゃないのかな、なんて)


コーヒーとミルク、割合は2:8なんて甘すぎる
ああ、そういえばルークも甘党だったっけ。

31D



あきゅろす。
無料HPエムペ!