「好き」とか「愛してる」とか色んな言葉があるけど、




「もうすぐですね」
送られてきた手紙をひらひらと揺らしてジェイドはガイへそれを渡した。
其処に書かれている文字と紋章に、ああルークの成人の儀のことかと納得した。
あの日、ルークが消えて、それで戻ってくると皆で信じて、(ああでも目の前の軍人がどう考えてるかなんてわからないけど)
旦那にもこの手紙来たんだろ、と問えば、ええ、といつも手を突っ込んでいるポケットからそれを取り出した。
あなたは行くのですか、そう問われて行かないよ、と返す。そうでしょうね、返された言葉にやっぱり、と。お見通しってわけだ。
「私も行きませんよ」
仕事が忙しいので。なんて素直じゃない軍人に笑ってやれば、貴方がちゃんと陛下を急かしてくれればこちらも楽なんですがね、と眼鏡を直す。
あの人は俺じゃ無理だよ、なんていっても中々納得して貰えないのだけれども。
「それでも頑張って欲しいものです、ガルディオス伯爵」
「善処はしますよ」
じゃあ、とりあえず陛下に呼ばれてるからこれで。ジェイドの横を通り過ぎようとして腕を掴まれる。
ガイ、あなた確かルークと恋仲でしたよね。そう問われて、そうだけど、と返す。
「ルークが帰ってきたら、あなたは彼に何て言いたいですか」
興味あるんです、と微笑まれて(このおっさんにこんなこと聞かれるなんて思わなかったけど)、そうだな、と少しだけ考える。
ああ、そうだ。

「好き」とか「愛してる」とか色んな言葉があるけど、「おかえり」ってそう言いたい
31D



あきゅろす。
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