離した手が、いかに大切か。思いしれ、馬鹿者よ、



「ガイ、怒ってんのか」
問いかけるルークの質問にガイは答えない。ただ無言で音機関を弄り続けるだけで、その質問に対して肯定も否定の言葉も出さなかった。ガイ、もう一度名前を呼んでみてもやはり同じで無言の中かちゃりかちゃりと部品同士ぶつかる音だけが部屋の中で唯一の音だった。
「ガイ、聞いてくれよ」
「・・・」
「なあ!」
振り返ることをしない肩を掴んで引っ張る。思いっきり引っ張って、その反動でルークとガイはベッドへと倒れ込んだ。
「が、」
名前を呼ぼうとしてルークは止めた。
ただ、無言を決め込んだガイの体を抱きしめた。やはりガイは何も言わなかった。何も咎めなかった。
それでも

(俺の為に泣いてくれてありがとう)
それがこんなにも嬉しいだなんて。



離した手が、いかに大切か。思いしれ、馬鹿者よ、
世界が飛び散る一秒前



あきゅろす。
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