P*この4文字を飲み下せ





「陛下、何のつもりですか」
震える声でそういってガイは自分の元へと届いた手紙を差し出し人である彼の元へと返す。ピオニーはそれを受け取ると、読んだのか、とそれを揺らした、読みました、短い返事が返されてしかしそれで満足だった。そうか、ピオニーは嬉しそうに笑った。
「陛下、俺は怒っているんですよ」
「知っている」
声の震えは止まらない、止めることよりも其れよりも、何より告げなければいけないことがガイにはあった。それをピオニーも察していた。
「ガイラルディア」
「なんですか」
「ありがとう」
にっこりと笑う。それにガイはびく、と体を大きく揺らした。その返事は予測していたもので、けれども予測したくなかったものであった。
無言のまま滝の流れる音だけが響く。
いつもならピオニーを守るようにいる兵士にも一旦この場を離れて貰っている為、その音はより大きく聞こえた。

どうして、小さく呟かれたその言葉にピオニーはどうしてだろうな、と小さく返した。
「知っていて欲しかったんだ」
「陛下」
「わかってる」
片手で持っていた手紙の端と端を持つ。びりり、躊躇うことなくそれは裂かれた。
これでいいのだろう、と笑うピオニーにガイはただ俯くしか出来なかった。
「国の為だ」
「国の、為です」
びりびりびり、と細かく裂かれたそれをピオニーは上空へと放った。華吹雪のようなそれはひらりと舞って地面へと落ちる。
「戯言だ、気にするな」
「気にします、」
「もう、こんなことはしない」
最初で最後だ。落ちてくる紙をひとつ受け止めながら、ピオニーはもう一度笑った。


「皇帝が男にラブレターだなんて、笑い話にもならんだろう」



この4文字を飲み下せ
言えるわけがない、「愛してる」だなんて!
配布元>>夜風にまたがるニルバーナ

一応ピオ→←ガイ



あきゅろす。
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