無題
!)ファブレ公爵×16歳ガイ



インクの多分に入った瓶へとペン先を浸けてまたひたすらにペンを走らす。其の書類は対して重要なものでは無かった。それなのに真剣な面持ちでペンを動かしている自身の心境を悟ってか、ファブレは小さく笑った。それで、と問うた先には金の髪を持った少年が一人、ぽつん、と立っている。其の少年の美しく整った顔立ちには、何の表情も浮かんでいなかった。それを残念とは思わなかったが、然し、どうしてか寂しいとは思うのだ。
「ルーク様は泣き止んで今ぐっすりと眠りにつかれております」
「そうか」
かりかりとペンを動かす手を漸くに止めてファブレは椅子ごと後ろへと下がる。ガイ、と名前を呼べばはい、と返事を返す律儀な少年をファブレは気に入っていた。何時からであったか。其の綺麗な顔を歪ませてしまおうと思ったのは。苦痛で歪むもよし、快楽に喘ぐのもよし。ただ自身の前で無表情につったっている少年、ガイの顔がどうにか変化するのが見てみたくてしょうがなかった。
「こちらに来なさい」
そういってやれば、素直にこちらへと歩みを寄せる少年の身体を抱き寄せて膝の上へと乗せてやれば、やっとのこと驚きに表情を変えた少年にファブレは笑いが込み上げた。
「逆らうことは許さない」
そういって首筋に顔を埋めてやる。びくん、と震えた身体にファブレは酷く欲情した。

(綺麗が歪む瞬間が何より綺麗なのだと笑った)


あきゅろす。
無料HPエムペ!