L*暗い夜に口づけを、



昔、夜更かしをしていたルークに嘘をついたことがある。
『ルーク様、早く寝ない悪い子にはそれは恐ろしいお化けが襲いにやってくるんですよ』
其の頃は捻くれてたわけでもないルークはその言葉をうっかり信じて俺今日から夜更かししないからと泣きべそをかいて自分の足元に迫りついたのを覚えている。
それから数日の間人が変わったかのように直ぐに寝床につくようになったルークに感心したものだ。ラムダスからも珍しく褒められてよかったと思っていたのも、結局はつかの間だったのだが。
(何故ならそういう話が大好きなナタリアが「私そのお化けをみてみたいですわ!」等とルークと一緒に一週間夜遅くまで起きて張り込みをしていたらしい。結果出てくるわけもないお化けに嘘だとばれてしまい、二人にこっ酷く怒られてそれで終わり。でもそれで夜更かしに懲りたらしいルークは夜になると早々に寝付くようになったので結果オーライだったわけだ)
だからルークは夜遅くまで起きていること等殆どない。寧ろ寝すぎて困ってしまうぐらいだった。
だから油断していた。

深夜に近い時間帯に部屋のドアが開く音で目が覚めた。
「ん、誰」
「あー、俺」
その声にルークだとわかって少しだけ安心する。返事早々もそもそと布団の中に入ってくるルークにああ一人では眠れないのかなんてぼんやりと思った。強がるがこの坊ちゃんはえらく寂しがり屋である、今までにこんなことは何度だってあったのだ、今回もまあそんなところであろう。
既に眠気に支配されていた頭はそれ以上を考える気にはならず(つまりなんでルークがこんな時間まで起きていたのかなんて思いつかなかったのだ)いつものことだからとからかうこともせず、少しでもルークが安心するようにとルークの方へとガイは寝返りをうった。と唇に何かが触れた瞬間ルークは油断していたガイの口内へと舌を捻じ込んだ。
「んぅ、む」
絡みつくように動く舌に翻弄されて(もとより眠たくて理性などなかったガイにとっては余計に)くぐもった声が漏れる。とぼんやりとした思考の隅ではっきりしていくものがあった。ちょっと待ったこれはもしやききききききすなんてそんなまさか。はっとしてその背中をできる限りの力で殴ればいてぇとルークは唇を放した。
「いてぇ、じゃないだろう!」
おかげで目が覚めたじゃないか!ガイが怒鳴ったところで皆起きちまうだろーとルークの口から正論が出た。確かにそうだがそうじゃないだろう!納得いかないといわんばかりにガイは顔を真っ赤にして口を積むんだが、直ぐにそれは真っ青になった。
「ななななななにしてるんだルーク」
「何って、みてわかんねぇの」
きょとんとしているルークはまるで子供の様で幼い、けれども。ルークは上に乗っかって器用にガイの服を脱がしていく。みてわからないのか、と言われてガイは混乱する。寂しくて添い寝をして欲しいのなら何故服を脱がす必要があるのか、それとももしかしてこれは。ぐるぐると眩暈さえ起こしかねないぐらいに悩んでいるガイを後目に、シャツのボタンをすべて外し終えるとルークはにか、と笑った。
「夜這い」
「いわなくていいーーーーーー!」




暗い夜に口づけを、

ああああああああ俺はどこでルークの育て方を間違えたんでしょうかというか俺のせいなのだろうかあの時の可愛いルークは一体どこにいったんだ!


お題配布元(31D)


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