(この感情を何という)
からっぽのお人形に感情という名の箱を詰め込んで其の中に薄らとした桃色の其れを心臓にとり付けたのは誰だったのか分からない分からない。純真な其れは桜の様に美しくだが反面何時喰らってしまうか分からない狂気を含んでいたが真っ直ぐに注げられる視線はまるで愛に飢えた子兎だった。お人形は言うのだ苦しいと。ガイは敢てその感情が何というのか教えなかったのだ知らなくてもいい知らないままの方がいいそうして蓋をしたのだ大事な事だったのかもしれないのに(ただそれが自分に向けられていた恐怖があったのだ)
ジェイドは問う。それで良かったのですかとな。ガイは笑って頷いた。これでよかったんだ。ジェイドはそれ以上は言わなかったそれが救いだった。ガイも又桃色の其れを持っていた否もっとどす黒く汚らしく思えたが確かにお人形のそれと同じであった。伝えれば交わる感情であったのに!恐らくはお人形は勘付いているのだろう其の感情を何というのかと。だがお人形は臆病であったそしてガイ自身もまたそれが正しいと思えなかったのだ。交わることのない感情は淡くぶくぶくと飽和してだが癒えぬことのない傷となるのだ嗚呼もどかしい!だがそれでもこれが男の正義であった正しいかなどと分からぬのだけれども。
(この感情を何という)
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