狂気を孕む林檎を食べた



或いは同情だったのかもしれない。ジェイドは男の瞳が陰る其の刹那を愛していたのだ。
「若し私が貴方を可哀相だと思っていたらどうします」
とな。聞けるものなら聞いているでしょうがジェイドは臆病になった。だが其の瞳の矛先が自分に向かうならばそれ以上の快楽も無いのだ!(それだけ憎まれ想われ倖せ嗚呼、嗚呼)
旦那。何の曇りもない碧眼が此方を見遣るのを少し残念に思いだが彼が人を恨み汚れていくのを見たくない反面見てみたい自身もいる。どうかしましたかと返す自身の瞳の陰りに如何か気付かずに嗚呼でも若し彼の大切なお人形(レプリカ)を壊してしまえば彼は、彼は私を殺したい程憎んでくれるんでしょうかそれはいいと思いつつ若し若しだ彼が私を許したなら其れは残念だだが倖せと言ってもいいのだろうかわからない。例えばの話だ。百つのしゃれこうべを持って好きですと白状したならば彼は狂気だと思うだろうか。たった一つの公爵のこうべをプレゼントしても狂気だと喚くのだろうかそれとも喜ぶのだろうか嗚呼分からない。
若しも否若しはない。彼の様にお奇麗なお人様が汚れてしまうならば此の世界は何色に変わるのでしょうか。興味だけが先走る。兎にも角にもそう思うぐらいには彼を愛して止まないのだ!
(この世は汚いのである)

狂気を孕む林檎を食べ






あきゅろす。
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