愛しのシェリー、僕をシャルマンと呼ばないで



理想のタイプがあるかと問われられたらそりゃ真っ先に浮かぶのは可愛らしい女性だろう。それは目の前の男だって同じであろう。否、そうだと思う。だからって嫉妬するぐらい幼稚なつもりは無いし、どちらかと言われれば男のお眼鏡に掛かる女性というのは興味がある方だ。どんな女性ならばこの男の理性を擽るというのだろうか。恋愛なんて文字が似合わない男の事だ(だがそれは自分の勝手なイメージかもしれない)、研究に没頭していて青春時代を満喫なんてしてないのかもしれない。(然し女性恐怖症で女性と恋に落ちれない自分だってまた同じ事であろうが。)だから、女性と恋愛したことあるのかという質問にありますよと返ってきた時にはああこの男も一応に男であったのだなと感心した。
「私も35歳ですからね、それなりに」
それなりにと云うからには幾らかの女性と付き合ったのだろう。興味が沸いてきて、どんな女性だったんだとの質問に、男は、ジェイドはやれやれと首を横にふる。大して面白い話ではないですよ、忘れてしまいましたと濁らせようとするジェイドを笑いながらつっ突いて、じいと見つめれば目を逸らされた。然しそれは直ぐに戻されて、そうですね、そう切り出してきたジェイドに身を乗り出して男へと全神経を向ける。
「貴方を前にしたら全て霞んでしまいました」
なんだそりゃ。



愛しのシェリー、僕をシャルマンと呼ばないで



あきゅろす。
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