Mayday




「ああ今日の料理当番はガイでしたか」

後ろに立ったジェイドの方へと顔だけを向ければ既に後ろに立っていた男は鍋の中を見て、ほう、と声を漏らす。カレーですか。少し嬉しそうな其の声にあんたの好きなマーボーじゃなくて悪いなと(但し、本当に悪いとは思ってもないのだが)言ってやれば、ならいっそ今からマーボーにします、と言い出したものだから全力で拒絶する。自分で作った時こそ好きなもの食べさせてくれたっていいじゃないか。ぐつぐつと煮込まれている鍋の中をお玉で掻き混ぜて遣れば覗いたエビやらイカに成る程とジェイドは納得した、シーフードですか。それに肯定の返事を返して遣れば、貴方のシーフードカレー、私好きですよ、と言われたものだから少し照れる、ありがとう、そうやって話を続けていれば腹減ったと遣ってきたルークが反対側から鍋を覗き込む。

「げ、シーフードじゃん」
「げ、とはなんだ、げとは」
「だって魚だろー」

うへぇ最悪、とうなだれるルークに苦笑してやる。次はお前の好きなもん作ってやるからと言って頭を撫でて遣れば、んじゃあ次は唐揚げ食べたいと直ぐに顔を上げる、唐揚げな、了解、機嫌の直ったルークによしよしと思っていれば隣から次は豆腐が食べたいですねぇ、とジェイドが突っ込んで来たもんだから自分で作れと言ってやれば、旦那様には優しくしないと、と怒られた。誰が誰の旦那だ、全く。

「家族ごっこはいいから早くご飯にしてくださーい」



Mayday



「差し詰め、ガイがお母さんでルークが子供で私が旦那って所でしょうか」
「ああ、」
「ああじゃないだろうルーク!ジェイドも納得すんな!」


あきゅろす。
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