曖昧に溶けるスピカ



何が気に食わなかったのかと聞けば全てだと帰ってくる。じゃあどうすればいいのかと問えば此処に居なさいと怒られた。何だ是じゃあ嫉妬じゃあないか。笑ってやったらきっ、と睨まれる。失言だったみたいだった。悪い悪い、適当に謝ればふいと視線を逸らされてジェイドは机へと向かう。ペンを持つのと同時に扉がばん、と開く、開くと同時に侵入者へとそのペンが投げ付けられる(それもダーツのようにだ)(余りにも恐ろしい)当たり前のように侵入者、ピオニーが驚いているのをジェイドは鼻で笑う。嗚呼外れましたか。

「お前、危ないだろう」
「危ない様にしてあげたつもりですが」

それとも其の首にきちんと当てた方が良かったですかね、是は失礼。明らかに不機嫌なジェイドの態度にピオニーがどうかしたのか問えば別に何もと素っ気ない答えが返る。何もないことは無いだろうに。思わず苦笑いしてしまう。ガイラルディアぁ。ピオニーの甘えたな声に返事を返そうとしたガイの口をジェイドが塞ぐ。まるで会話をする事を許さないかの様なそれにピオニーはきょとんとした後にそれは愉しそうに笑った。嗚呼何だ。

「嫉妬か」
「違います」

貴方まで何ふざけた事言っているんですか、焼きますよとジェイドが怒りを顕にしたのをピオニーは何でもない様に片手を振りながら返す。はいはい邪魔ものは退散しますよ。出ていこうとして何か思い付いた様に振り向いたピオニーはガイの方を見やって口元に掌を当てる。それをちゅ、と飛ばした(詰まりは投げキッスなわけで)(ジェイドの顔が不快極まりない位に歪んだ)

「愛してるぞ、ガイラルディア」
「其処、動かないで下さい」

す、と槍を取り出して思いっきり笑って逃げ出したピオニーをジェイドは追い掛けていった。ああだから是は。嫉妬だろう。
(可笑しくてしょうがない!)




にやり





あきゅろす。
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