「答えは貴方の名前です」



花が枯れてしまう前に水を替えてください。そういって指されたペンの先にあったのは意外にも小瓶に活けられた数本の花であった。オレンジから黄色へとグラデーションのかかっている其の花を見て珍しいなと呟けばジェイドはそうですか、と返すだけであった。

「旦那に花を愛でる心があったんだねぇ」

冗談めかして言ってやれば失礼ですねぇと大して傷ついて無いであろう、どちらかと云えば陽気な声で返された、私だって人間ですよ、それに笑ってやった。
取り敢えず云われた儘に小瓶を机上から取り上げる、透明な小瓶に活けられた其の花は矢張り可愛らしく咲いていた。沢山の花弁を付けて下を向きがちに咲く花は昨日の昼に最後に此処へと来た時には見た覚えは無いのだから其の後にでも摘まれて来たのだろう。この花が好きなのか、問えば気になったんです、可愛らしいでしょうと返された、ああ可愛いんじゃないか、旦那の髪に挿したら綺麗なんじゃないか。細い茎から精一杯大きく開いた其の花を見て、ジェイドの髪を見て、想像して見れば矢張り似合う気がしたが然し素直に感想を述べればそれはそれは愉しそうにジェイドが笑ったものだからガイは怪訝な顔をしてジェイドを見やる、ジェイドが其の花の名前知ってますかと問うてきたもんだから知らないと返せば、赤い目を細めてジェイドは笑った。



「答えは貴方の名前です」



「そうですか私に似合いますか、嬉しいですねぇ」
「ちょ、ち、違う、違うぞ!」



一度は書きたいガイラルディアネタ


あきゅろす。
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