心中告白は届いてはいけない



「好きだとでも言えば抱いてくれるのかい」

無表情で告げられたそれに鼻で笑ってやる。好きだなんてそんな嘘吐かなくても抱くぐらいしてあげますよ馬鹿らしいじゃないですか。青年はその返答に無表情を崩して苦笑した、嘘じゃないよ、ならば何故目を合わせない、問い詰めれば恥じらい位は必要だろと嘘にもならない嘘を吐いたもんだから大したものだ。いいですよ、抱いてあげます。腕を伸ばせば腕の中へと青年は戸惑う事無やってきたもんだから優しく背中を撫でてやる。途中で止めてなんかあげませんよ、上等だ。もう一度顔を上げて青年は口を開いた。抱いてくれ。其の言葉を封じ込めるようにキスをすれば青年は目を閉じて受け入れる体勢になったから可笑しくて堪らなかった。(愚かな目の前の青年の事を好きな自分の馬鹿らしさは何よりも可笑しい!)


心中告白は届いてはいけない


「好きだ」

告げた言葉に嘘なんてなかったのだと目の前の男は何時気付くだろうか。逃げるように抱いてくれとふざけた自分の弱さが可笑しくて笑いが零れた。

愚か者は(誰だ)

にやり


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