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アリスインワンダーランド


チェシャ猫の唇が
優しく重なった。


アリスは驚きのあまり、
目を閉じることも忘れていた。



「アリス…目を閉じて」

チェシャ猫は唇を僅かに離し、
親密そうにささやいた。


「いっ…嫌!
 チェシャが無理やり…」


チェシャ猫は再び、
アリスの唇をふさいだ。



そして
自分も目を開き、至近距離で
アリスの瞳を覗き込んだ。



(きれいな色の瞳…
すいこまれそうで怖いぐらい…)

なぜか、目が離せなかった。

アリスはくらくらして、
自然と頬を上気させる。



見つめ合う2人の間に
ピン、と張る緊張感。



チェシャ猫の冷たいくちびるに
自分のくちびるの熱が、

じんわりとうつっていくのを
アリスは感じていた。



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