アリスインワンダーランド
5
「チェシャはもう寝るの?」
「さあ…
アリスはどうしたい?」
「私は……、
寝るのが、怖い…」
「…どうして?」
チェシャ猫は
ある意味確信的な笑みを
浮かべて聞いた。
「あの夢を…
見るかもしれないから。
あの夢も怖いんだけど。
だけど…
その向こうにあるものは、
もっと怖い気がする…」
「その向こうにあるもの…?」
チェシャ猫は聞き上手だ。
胸の中で絡まってた想いが、
飾らず、素直な言葉がこぼれる。
「あたしはここに
いてはいけないって…
だけど元の世界には
何があるの?
……それに、
やっぱりチェシャと
別れるのは嫌だから…」
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