アリスインワンダーランド 1 ―…あの後、 何となくきまずい夕食をとり、 林檎のコンポートを食べて 2人はそれぞれの部屋に 別れたのだけれど… アリスの部屋では… 「だ、めだあ…」 本を読んでも集中できない。 甘いものは何の味もしない。 あきらめて眠ろうとしても、 また夢に兎がでてきたら… 怖い… そうなれば疑心暗鬼で、 風の音が「アリス」と 呼ぶ声に聞こえる。 小さな物音にも、 つい驚いてしまう。 「〜〜………こわい…」 枕を抱きしめて、 アリスはうろうろする。 時計を見ればすでに、 11時をまわっていた。 もうチェシャ猫は、 眠ってしまうかもしれない。 そうしたら、 起きてるのは私だけ…! [next#] [戻る] |