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アリスインワンダーランド
10

チェシャ猫の顔を急いで伺う。


チェシャ猫はうなずいて、
『静かに』の合図をした。

「…」



「アリス、いるんでしょう?
 チェシャ猫にも
 分かってたはずだよねえ…
 僕が今日来るって事が」



「アリスも夢を見たでしょ?
 僕が、アリスを呼んだ…」


兎は変に陽気に、
一人でしゃべり続ける。

アリスたちは一切、
しゃべらなかった。




「…まだ、だんまり?
 それならいいよ…
 こっちには時間がある。

 だけど忘れちゃだめだよ」




「アリス」

兎が歌うように言えば、
チェシャ猫は顔をしかめた。



「アリスはこの世界に
 いてはいけないよ。



 …それじゃ、

 裏切り者の猫と
 せいぜい楽しんで」


一転してふざけた口調になると
兎はひらりと身をひるがえして


去っていった。


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あきゅろす。
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