アリスインワンダーランド
7
チェシャ猫は、
それからも眠りつづけた。
アリスはチェシャ猫の好きな
林檎のコンポートに挑戦する。
「あららー…
どうしてかしら」
ちょっとチェシャ猫の様子を
見に行っているうちに、
つくったものが、炭に変身したのだ。
「誰がこんな悪戯を?」
焦げ臭いにおいが
キッチンに充満している。
「…チェシャはすごいわ」
独り言を呟いて、
再び自分の部屋に戻る。
窓の外を見ると、
日は暮れかかっていた。
夜がアリスたちの家を
つつみこむように広がっていく。
強い風が吹き、
森の木々がざわめいた。
チェシャ猫の指が、
一瞬ぴくりと動いたことに
アリスは気がつかなかった。
…その時だった。
コン、コン
階下からかすかに、
ドアをノックする音が聞こえた。
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